皆さん、スノーボードを楽しく滑れていますか?
「スノーボードが楽しくて仕方がない!」
「滑るたびに成長を感じられて最高!」
という方はまったく問題ないのですが、中にはなかなかうまくいかずに悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
「スノーボードのセンスがないのかな?」
「自分には無理なのかな?」
「このまま上達できなかったらどうしよう…」
このような悩みを抱えている方、もしかしたら、スランプに陥っているかもしれません。
スノーボードに限らず、スポーツを一生懸命頑張っていれば誰にでも訪れる可能性があるのがスランプです。実際、インストラクターである私たちもスランプに陥ってしまったことは何度もあります。スランプの時期は、思い通りにスノーボードを滑ることができずに悔しかったり楽しくなくなったりしますよね。辛い気持ち、よくわかります。
でも安心してください!スランプが来たということは、スノーボードのスキルが飛躍的にアップする前触れです!スランプと上手に向き合うことで、一皮むけて一気に上達することができるでしょう。
今回は、私たちの経験も踏まえ、スノーボードでスランプに陥ってしまった時の脱出方法ややってはいけないNG行動について詳しくお伝えしていきたいと思います。
スノーボードのスランプはなぜ起こる?
順調にスノーボードを練習していたはずなのに、なぜスランプが起きてしまうのでしょうか。まず最初に、スライドの状態やスランプが起こる仕組みについて確認してみましょう。
そもそもスランプとはどういう状態?
スランプとは、スポーツなどで今までできていたことができなくなってしまったり、思うように結果が出なくなってしまったりする状態のことです。
具体的には
・ターンができていたのに、急にできなくなってしまった
・カービングで思うようなエッジングができなくなってしまった
・グラトリの技が一向にできるようにならない
・いつもはキッカーで跳べているのに急に跳べなくなってしまった
などの状態がスランプといえるでしょう。
スランプに陥る2つの原因
スノーボードに限らず、スポーツをしていれば誰でもスランプに陥る可能性がありますが、何が原因でスランプになってしまうのでしょう。
その主な原因としては【肉体的な原因】と【精神的な原因】の2つが考えられます。
肉体的な原因によるスランプ
肉体的な原因は、ケガ・成長・セッティングの変更などが挙げられます。
たとえば、ケガをしてしまいその部分の動きが悪くなることで今までと同じ様に滑っていても同じような滑りができなくなったり、ケガの部分をかばって滑るために今までと違った滑り方の癖がついてしまったりすることで、スランプになってしまいます。
成長期の子供の場合は、成長によって骨格や筋力が変わることでスランプになることもあります。
また、セッティングを変更することによってフォームが変わり、体の動かし方と板の反応のギャップで一時的にスランプ状態になることもあります。
精神的な原因によるスランプ
一方、ケガもしていないし、成長期であるわけでもないし、セッティングも一切変えていないのに突然スランプに陥ってしまう場合は精神的な原因が考えられます。
「うまく滑らなければ!」
「結果を残さなければ!」
「失敗しないようにしなければ!」
などと自分で自分にプレッシャーをかけてしまうような場合にスランプに陥りやすくなります。これは、自分なりに努力しているにもかかわらず、なかなか結果が出ないことによって焦りを感じてスランプになっているとも言えます。
逆に言えば、スランプ状態になっているということは、一生懸命スノーボードを練習し、スノーボードと真剣に向き合っているからこそと言えます。適当な気持ちで取り組んでいるものに対してスランプを感じることはありません。
精神的なことが原因でスランプになってしまっているという場合、「本気で頑張っている証拠」と捉え、楽観的に考えることもとても大切なことです。
一般的に、肉体的な原因によってスランプになった場合、比較的短期間で自然に脱出できることがほとんどです。そのため、それほど気にしすぎず、いつも通り練習を続けていれば問題ないでしょう。
厄介なのは、精神的な原因によるスランプです。今回の記事では、精神的な原因によるスランプの脱出方法をメインにして解説していきたいと思います。
私もカービングの大会に出ていたころは思うように結果が出ず、典型的なスランプに陥っていました。スランプ状態、本当につらいですよね・・・・。
スランプから抜け出すためにいろいろ脱出方法を試してみましたので、そのときに効果のあった脱出方法を次の章からお伝えしていきます。
スノーボードでスランプに陥ってしまった時の脱出方法
ここからは、スノーボードでスランプに陥ってしまった時、どうやって抜け出すのが効果的なのかを解説していきます。
スランプであることを認める
スランプ状態になると、どうしても人はあがきたくなってしまうものですが、潔く「自分は今、スランプなんだ」と自覚しましょう。
スランプであることを自覚していないままだと、小さなミスを繰り返してしまいさらに状態が悪化してしまう恐れがあります。早くスランプを脱するためにも、じっくりと自分と向き合う機会だと思いましょう。
スランプになったとき、ノリと勢いでなんとか乗り越えようとしてしまいがちですが、ほとんどの場合効果がなく、ますますスランプに拍車がかかる可能性があるので、スランプになっている自分を認めてあげることが脱出のための第一歩です。
動画を撮り現状を把握する
スランプであることを認識したら、次は自分が滑っているときの動画を撮り、現状把握に努めてください。
レッスンを受ける場合はインストラクターにスランプに陥っているかもしれないことを伝え、動画を撮ってもらいましょう。
動画で自分の滑りを客観的に見ることで、何につまずいているのかがわかってきます。逆に、「それほど酷くないじゃん!」と楽観的に考えられるようになるかもしれません。
ここでのポイントは、現状を把握するだけにとどめ、無理に改善しようとしないことです。「自分の滑りって今こんな感じなんだな~~」くらいにとらえるだけでOKです。
いったん頭で改善策を考えてみる
動画を見て自分の滑りを客観的に見ることができたら、どこがどうダメなのか、どう直していきたいのかを頭で考えてみましょう。
スランプになったときにやってしまいがちなのが、ひたすら滑りこんで解決しようとすることですが、何も考えずにただ滑り倒しても状況は改善されません。
いったん、頭で改善策を考えてみて、次に練習するときに何を意識すればいいのかをリストアップしてみましょう。
頭で解決策を考えるときは、他の上手な人の滑りと自分の滑りを比較して、どこが違っているのかを考えるのもおすすめですよ。
インストラクターに相談してみる
頭で解決策を考えてみて、実際に滑るときに意識して滑りが改善されればスランプ脱出成功ですが、なかなかうまくいかないことも多いと思います。
そんなときは、ぜひプロのインストラクターに相談してみましょう。
私たちもそうですが、インストラクターは自分がうまくなるためにかなりの練習方法を試していますし、どういうケースでどういう練習をすれば上達するのかを把握しています。また、生徒さんの成長パターンも数多く見てきていますので、スランプを脱するための練習方法のヒントがもらえる可能性が高いです。
インストラクターに相談するときは、何について悩んでいて、これまでどういう練習方法を試したのか、あらかじめ話しておくとスムーズに適切なアドバイスがもらえるでしょう。
とにかく楽しく滑ることに集中する
スランプ状態になることはスノーボードを頑張っている人なら誰にでも起こりうることですし、そのうち脱出することができるのでそれほど怖がる必要はありません。
ただ、スランプの怖いところは、やみくもにあがいているうちに「スノーボードが楽しくない」と思ってしまう可能性があるところです。
私たちも含め、皆さんがスノーボードを滑っているのは本来「楽しいから」だったはずです。それなのに、スランプに陥ってしまったことで楽しくないと感じるのはもったいないですし、ケガにつながる恐れもあります。
思うように滑ることができず、「楽しくないなー」と感じる瞬間があれば、とにかく楽しくスノーボードをすることに主眼を置いてみましょう。
楽しく滑るための工夫としては
・普段滑らない人と一緒に滑る
・別のジャンルに挑戦する
・新しいことに挑戦する
・自分が得意な範囲の滑りをする
などです。
普段一人で滑ることが多い人であれば、友達と楽しくワイワイ滑るのがおすすめです。
いつもはカービングメインで滑っている人は、たまにはパークに行ってキッカーを跳んでみたり、パウダーを滑ったりするもいいでしょう。
新しい技に挑戦しているうちにスランプに陥ってしまった人は、自分が得意としている技をひたすらやって自信を取り戻すのもおすすめです。
私がカービング練習中にスランプに陥ってしまったときは、友達とパウダーを滑りに行ったり、パークで思いっきり跳んだり、スイッチ縛りで滑り倒したり、とにかく楽しめることを集中的にやっていました!
スランプ中のカービングから離れて、別ジャンルのスノーボードに触れたおかげで「やっぱスノーボードって楽しいいいいー!!」と感じることができ、無事にスランプを脱することができました。
うまくいかないことをひたすら練習していても、なかなか楽しいとは思えないと思います。そんなときは、いっそ思い切って別な視点からスノーボードを楽しんじゃいましょう。
普段やらないことをやってみたり、別ジャンルに挑戦したりすることで、別の角度から新たなスノーボードの楽しさを発見できるかもしれません。
せっかく?スランプに陥っているのですから、タダで起き上がるのはもったいないです!スランプはいい機会だと思って、いろいろなことに挑戦して自分の新しい可能性を見つけてみるのもおすすめですよ。
スランプは成長の絶好のチャンスととらえる
スランプはできれば誰も陥りたくないものだと思いますが、考え方を切り替えて、スランプに感謝してみるのも一つの方法です。
スランプは自分にとって大きな試練です。
何ごともなく順調に上達するに越したことはないかもしれませんが、逆境の中でしか学べないことはたくさんあります。それはスノーボードのスキルだけでなく、人間的な成長も含めてです。
スランプを経験した人にしか手に入らない強さは、かけがえのない財産とも言えるでしょう。スランプという試練を迎えたことに感謝する心の余裕が持てれば、大きく成長できるチャンスになることは間違いありません。
スノーボードでスランプに陥った時にやってはいけないNG行動
スノーボードでスランプに陥ってしまうと、いろいろと対処法を試してみたくなりますよね。もちろん、自分なりに試して解決に向かうのはとてもいいことなのですが、スランプ中にやってはいけないNG行動があります。
この章では、私たちがスランプ中にやってしまってスランプが長引く原因になったNG行動についてご紹介していきます。
やみくもに練習する
恐らく多くの人がやってしまいがちなのが
とにかく気合と根性で練習しまくる
ということでしょう。
しかし、この行動は何も解決されませんし、体だけ無駄に痛めつけることになるので絶対にやめましょう。
スノーボードの上達において、気合も根性も大切なのですが、スランプに陥っているときに気合と根性だけで推し進めようとしてもドツボにハマることがほとんどです。
なぜなら、スランプのときは「なぜかよくわからないけど、いつもみたいにうまく滑ることができない」という状態なので、やみくもに練習してもどんどん調子が悪くなり、疲労だけが溜まり、テンションはみるみる下がっていくことになります。(経験済み)
やみくもに練習するのではなく、落ち着いて現状を把握し、解決策をいったん頭で考えてから練習に向かうようにしましょう。
やみくもにアドバイスを求める
スランプになっていつもみたいにうまく滑ることができないときは、とにかくスランプから脱するためにアドバイスが欲しくなると思います。
しかし、誰彼かまわず、やみくもにアドバイスを求めるのは逆に混乱を招くので絶対におすすめできません。
スランプになってうまく滑ることができていない原因は一つではないことがほとんどです。板を踏み込むタイミングがよくなかったり、先行動作を加える向きがよくなかったり、目線の向きが悪かったり・・・。
いろんな人にアドバイスを求めると、いろんな角度から、いろんな原因に対して、いろんなアドバイスが飛んできます。もちろん、その一つ一つのアドバイスを切り分けて考えることができ、自分なりに理解して練習に移せるのであればいいのですが、スランプになっているときはたいてい冷静にアドバイスをかみ砕いて理解することが難しい状態になっています。
そのため、いろんな人からいろんなアドバイスを受ければ受けるほど、頭がこんがらがってしまい、どんどんスランプの奥底まで落ちて行ってしまうことになります。(これも経験済み)
この状態になると、まるで迷いの森にいざなわれたかのように、なかなかスランプから脱出できなくなってしまいます。
アドバイスを求めるときは、自分が信頼している人1人に絞り、その人からのアドバイスを忠実に実行していくのがスランプを脱する近道です。
まとめ|楽しくなければスノーボードじゃない!
今回は、私たちの経験をもとに、スノーボードのスランプに陥ってしまった時の脱出方法についてお伝えしてきました。
スランプになってしまう原因は人それぞれですし、脱出方法も人それぞれなので、一概に「必ずこの方法で抜け出せます!」というわけではありませんが、今回ご紹介した内容が少しでも皆さんのお役に立ていればうれしいです。
あくまで私の考えですが、スノーボードは楽しむためにあるスポーツです。眉間にしわを寄せて苦しみながら行うスポーツではありません。スランプで楽しくない、と感じてしまっているのであれば、一度その問題から離れて、本来の楽しめるスノーボードに立ち戻ってみてはどうでしょうか。
もし、「スランプになってなかなか抜け出せない」「相談できるインストラクターが身近にいない」という方は、ぜひ私たちA級インストラクターにお気軽にご相談くださいね。
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