子供がスノーボードを始めたので自分だけの板を買ってあげたい!上手になってきたのでレンタルから卒業させたい!そんな風に考えていらっしゃる親御さんも多いでしょう。
子供のやる気を引き出すためには、その子だけのスノーボードの板を用意してあげることは,とっても効果的ですし、自分の体型にあった板を使うことでより上達もしやすくなります。
実際、インストラクターとしてレッスンしていても、自分の板を買ってもらっているお子さんの方がスノーボードの上達が早いですし、やる気も出ている印象があります。
しかし、スノーボード板選びを間違ってしまうと、お子様の身長や体重、レベルに合わない板を選んでしまって、上達の妨げになったり、ケガの原因になったりすることもあるので注意が必要です。
そこで今回は、現役のA級インストラクターである私たちが、子供用スノーボード板の選び方のポイントや、お子様向けのおすすめモデルを紹介していきます。
合わせて、スノーボードの板を長く使えるようにするためのメンテナンス方法についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
子供用スノーボード板の選び方ポイントまとめ
まずは子供のスノーボード板を選ぶ時にどんな点に注意して選べばいいのかについて解説していきます。ここの基本をおさえておくことで、よりお子様の体型にあった安全で上達を手助けしてくれる板を選ぶことができますよ。
板の長さは「身長−20cm前後」が基本
お子さまのスノーボード板選びで最初に見るべきは板の長さです。身長に対して短すぎると滑っているときに不安定になってしまい転びやすくなりますし、長すぎると操作が難しくなり、スノーボードの楽しさを実感しにくくなってしまいます。
初心者には短めが◎
初めて滑るお子様や、まだスノーボードに慣れていないお子様ならやや短め(身長−20〜25cm)を選びましょう。体重が軽い子どもにとって、板はとても重く感じますので、扱いやすさはとても大事です。
身長と適正長さ
身長(cm) | 適正な板の長さ(cm) |
100 | 75〜85 |
110 | 85〜95 |
120 | 95〜105 |
130 | 105〜115 |
140 | 115〜125 |
ワンポイント
ジャンプに挑戦したり、カービングなどのスピード滑走をしたりする場合は少し長めの板を選んでもOKですが、初心者のお子様はまずは安全第一を重視して適切な長さの板を選んであげましょう!
フレックス(板の硬さ)は柔らかめがおすすめ
子どもは筋力やバランス感覚がまだまだ未熟なため、ソフトフレックス(柔らかい板)を選ぶのが基本です。
柔らかい板は曲げやすく、筋力の少ないお子様でも少ない力で曲げやすいため、ターンや停止の動作がスムーズにできますので、転びにくくなったり疲れにくくなったりメリットが大きくなります。
結果、スノーボードを「楽しい!」と感じやすくなりますし、バランス感覚も育ちやすいですよ。
ポイント
しなやかな素材を使った子供専用モデルを選びましょう。大人のスノーボード板の短いものを選ぶのではなく、子供向け設計がされているモデルを選ぶのがおすすめです。
シェイプ(形状)
続いては形状についてです。スノーボードの形状は大きく分けてツインチップもディレクショナルがあります。(厳密にいうとディレクショナルツインという形状もありますが、ここでは2つに絞って考えます)
ツインチップ
左右対称の同じ形状になっているため、右足が前になっても左足が前になっても同じように滑ることができます。そのため、初心者に最適の形状です。
ディレクショナル
形状が左右対称ではなく、進行方向が決まっている形なので、カービングを学ぶ中級者以上のお子様におすすめの形状です。
ボード形状
ボード形状には、キャンバー形状、ロッカー形状、フラット形状、Wキャンバー形状の4種類があります。
フラット形状(平ら)
安定感があり、まっすぐ進みやすい
ロッカー形状(ノーズとテールが反っている)
引っかかりにくく、初心者であっても転びにくい
キャンバー
反発力があり、ジャンプやカービングがやりやすいため、上級者向け(初心者にはやや難)
初心者のお子様にはフラット形状やロッカー形状がおすすめと言えるでしょう。ただ、運動神経が良い子ですぐに上達するような場合にはキャンバーでもおすすめです。
成長に合わせた「調整のしやすさ」も重要
成長が早い子どもには、サイズ調整可能なビンディング付きのセットもおすすめです。
また、成長期のお子様は毎年かなりの背が伸びることもあり、あっという間に適切な板の範囲の身長から抜け出してしまうこともあります。そうなると、身長に対して板の長さが短くなりすぎてしまいます。
お子様の身長の伸びがある程度落ち着くまでは、「板を買うのはこれっきり」と決めて高価な板を買うよりは、リーズナブルな価格のモデルを選んで、毎年買い替えるというほうが良いかもしれません。
板+バインディング+ブーツの「3点セット」もおすすめ!
板選びはともかく、バインディングもブーツも選ぶのは大変だしよくわからない!という方は多いでしょう。そんなときは、セット販売されているものを選ぶのがおすすめです。セットで買えば同じブランドで揃っているので、板とバインディングの相性が悪くて取り付けがうまくいかない・・・というトラブルも防ぐことができます。
ブランドによっては、成長に合わせてサイズ調整が可能なブーツや、軽量で柔らかいバインディングがセットになっているものも販売されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
年齢別・目的別のおすすめスノーボード板5選
それでは、ここからは、年齢別でおすすめのスノーボード板のブランドとモデルをご紹介していきましょう。
① 【BURTON】After School Special(3〜6歳向け)
- 初心者キッズに大人気のセットモデル。ビンディング付きなので別で買わずに楽ちん。
- 超軽量&ソフトフレックスで、遊び感覚で滑れる。
- 成長途中の子どもにぴったりの設計。
② 【SALOMON】Team Package(5〜9歳向け)
- 成長期のキッズに合わせた調整しやすいビンディング付き。身長が伸びても安心です。
- エッジの引っかかりを抑えた「フラットロッカー構造」で安心。
③ 【K2】Mini Turbo(4〜8歳向け)
- 軽量で取り回しやすい。ボードとビンディングのセット販売もあり。
- 成長に合わせて買い替えやすい価格帯。
④ 【RIDE】Lowride(小学校中学年〜高学年)
- 少し上達してきた子に最適のモデル。
- バランス良く滑れるツインチップモデルで、パーク遊びもOK。
⑤ 【YONEX】GROWENT(7歳〜)
- 日本製の安心クオリティ。軽さと操作性に優れ、長く使える。
- 国産メーカーの中ではコスパも◎。
女の子向け・かわいいデザインのスノーボードブランド【5選】
女の子は恐怖心が出てきてしまうことも多く、なかなかスノーボードのやる気を引き出せないことも多いでしょう。そんなときは、その子だけの可愛くてワクワクするような特別なスノーボード板を用意してあげるとモチベーションアップにつながります。
最近では、女の子がワクワクするようなキュートなカラーや柄の板が多数登場しています!デザインから入って興味を持ってもらうのも上達への第一歩ですよ。
【BURTON】(バートン)
- おすすめモデル:Mini Chicklet, After School Special
- 特長:ピンク・ラベンダー・グラデーション系など、女の子に人気のカラーが豊富。
- 小さな子〜小学校高学年まで幅広いラインナップ。
【Roxy】(ロキシー)
- サーフ系ブランドROXYのガールズライン。
- 特長:花柄やナチュラルカラー、女性らしいシルエット。
- おしゃれ感が高く、スノーボードにファッション性を求める女の子におすすめ。
【Salomon】(サロモン)
- おすすめモデル:Grace, Liberty Jr.
- 特長:ポップで元気なデザインが多く、女の子用カラーもしっかり展開!
- アクティブな女の子に◎。滑りやすさにも定評あり。
【CAPiTA】(キャピタ)
- おすすめモデル:Micro Mini
- 特長:カラフル&アート感のあるイラストが魅力。
- 遊び心のある個性派デザインを好む子にぴったり!
【K2】(ケーツー)
- おすすめモデル:Mini Turbo, Lil Kat
- 特長:ポップなロゴ、明るいカラーリングで男女問わず人気。
- キッズ用のビンディングセットが豊富で初心者にもやさしい。
子供用スノーボード板を長く使うためのメンテナンス方法
子ども用のスノーボード板も、きちんとケアすれば数シーズン使うことが可能です。身長の伸びが落ち着いている子であれば数シーズン使うことができますし、兄弟姉妹に譲ることもできます。
以下のポイントを押さえて、大切に長く使えるようにしておきましょう。
使用後は「水分と汚れを拭き取る」
板に雪が付いたまま放置すると、サビやソールの劣化の原因になってしまいます。滑り終わったら、乾いたタオルでしっかり水分を拭くのが基本です。このひと手間をするだけでかなり持ちが違ってきますよ。
ワックスがけを定期的に
滑走面が乾燥してきたら、ホットワックスや簡易ワックスを使ってメンテナンスするといいでしょう。滑りが良くなりますし、板の寿命も延びます。
ワックスがけのおすすめ頻度
- レジャー使用(シーズンに2〜5回程度)→ シーズン前後+中間1回
- 頻繁に滑る(シーズンに10回以上)→ 滑走ごとに軽くでもOK
ワックスがけは少々面倒と感じてしまうかもしれませんが、ワックスがけはメンテナンスの基本ですので、可能な限り対応しておくといいでしょう。
保管は「風通しのよい室内で」
スノーボードの板を保管する場所は、湿気の多い玄関や倉庫は避け、乾燥した室内に保管するようにしましょう。また、板は立てかけてもOKですが、急に滑り落ちて倒れることもしばしばです。倒れてしまうとエッジが傷ついてしまうので、できれば横に倒した状態で保管しましょう。
高温多湿・直射日光はNGなので、そのような場所での保管は避けましょう。
オフシーズンはエッジのサビ防止を
サビ防止のため、エッジにワックスを塗った状態で保管するととても良いです。市販の「保護カバー」も有効ですのでぜひチェックしてみてくださいね。
姉妹・兄妹でスノーボード板は共有できる?【サイズと耐久性の考え方】
「この板、高かったし、デザインがおしゃれだから使いまわしたい。お姉ちゃんが使っていた板、弟も使えるかな?」そんな声もよく聞かれます。結論としては――
条件次第で可能です。ただし注意点も多いです!
サイズが合えばOK(特に体格が近い場合)
板の長さは身長・体重・レベルで選びます。兄妹の体格差が小さかったり、レベルが似通っていれば使いまわしても問題ありません。
- 小さすぎる板:バランスが崩れやすい
- 大きすぎる板:コントロールが難しくケガのもとになってしまう
📝目安:板の長さが身長−15〜25cmの範囲に収まっていれば兄弟で使ってもOKです。
耐久性について
子ども用ボードは軽量かつ柔らかめの素材が多く、使用回数が多いと徐々にへたってしまいます。シーズンに数回使う程度なら、2人目にも十分使える耐久性はありますが、毎週のように滑りに行っているくらいの頻度であれば耐久性が少し心配になります。
また、ビンディングのネジ部分が緩んでいないか、滑走面に大きな傷がないかなどはしっかりとチェックしたほうがいいでしょう。
注意したいこと
デザインの好み
特に女の子は「可愛くないと使いたくない!」というケースもあります。そうなった場合は、その子だけの専用のスノーボードの板を買ってあげるのがベストでしょう。
レベル差の調整
上のお子さんが上級者向けの板だった場合、初心者の下の子には使いこなすのが難しいこともあります。
長く使うためのコツ
- ニュートラルなデザイン(男女兼用カラー)を選ぶ
- 成長に合わせた少し余裕のある長さにする(ただし大きすぎはNG)
- 滑走回数が少ないモデルを譲る
まとめ
お子様のためのスノーボードは「最初の1本」がとても大事ですし、親子共にとても思い出深い板になります。
お子さまが楽しめるかどうかは、板の選び方とデザインで大きく左右されるでしょう。
✅身長・体格に合った長さ
✅やわらかくて扱いやすい板
✅お子様が好きになってたくさん滑りたいと思える可愛いデザイン
これらを意識して選べば、お子さまのスノーボードライフはきっと最高のスタートを切れるはずです!
私たちSamuraiSnowConciergeは、お勧めのお子様用スノーボード板の情報はもちろん、そのほかのアイテム選びのコツや、スノーボードの滑りの技術などもご紹介しております。
もし、スノーボードに関してわからないことや疑問があれば、ぜひお気軽に私たち現役のA級インストラクターにご相談くださいね。
コメント