スノーボードに行くとき、自分のウエアで滑ることができたらテンションもあがりますし、雪上のおしゃれを楽しむことができてゲレンデに行くのがますます楽しみになりますよね。
しかし、スポーツショップに行くと機能性もデザイン性もいろいろと種類がありすぎて、どのウエアにすればいいのか、何を基準に選べばいいか迷ってしまうと思います。
そこで今回は、スノーボード経験20年以上で現役のインストラクターである私たちがスノーボードウエアの選び方を機能性とデザイン性と多方面からわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
スノーボードウエアの選び方~機能面~
まずはスノーボードウエアの機能面での選び方を見ていきましょう。
防水性
スノーボードを滑るとき、初心者の時は特に転ぶことが多く、ウエアに雪がついてしまうのは避けられません。転ばなくてもスノーボードでは座って休憩することが多いので、お尻に雪がつくことはよくあります。
ウエアについた雪が溶けてその水が体に付くと熱が奪われてしまうので雪山においては致命的な問題です。
そのため、スノーボードウエアにはしっかりとした防水性が求められます。
防水性能は、「耐水圧」という指標で現わされています。耐水圧とは1平方センチあたりに、どのくらいの水圧がかかっても水が染みこまないかを示しています。
転んだときや座ったときはウエアに圧力がかかりますので、スノーボードウエアとしては最低限10,000mm程度の耐水圧が必要とされています。
この耐水圧を下回るウエアの場合、雪が溶けたときに中に着ている服に染み出してしまう恐れがありますので、最低でも10,000mmの数値のウエアを選ぶようにしましょう。
ちなみに、ウエアに記載されている耐水圧の数値は新品の状態の数値で、使用頻度やクリーニングなどによって機能は徐々に低下していきます。
透湿性
スノーボードは雪の上でするスポーツですが、場合によっては汗をかいてしまうことがあります。その汗が抜けずにウエアの中にこもってしまうと、冷えて体温を奪ってしまいます。
そのため、スノーボードウエアには空気を通して中が蒸れないようにする透湿性も必要です。一般的に通気性と言われるものですね。
透湿性は、「mg/m2/24h」という単位で示され、生地1平方メートルあたりにおいて24時間で何gの水分を透過させるかという基準で表されます。
一般的に汗をかく量の目安は、1時間あたり安静時で50g、軽い運動で500g、激しい運動で1,000gと言われていますので、この数値を24倍したのが透湿性の基準ということになります。単純に計算すると激しい運動に適している透湿性は24,000 mg/m2/24hとなります。
しかし、スノーボードは冬に雪の上でするスポーツなので、多少の汗はかきますが、汗だくになることはありません。実際、標準的な価格のウエアでも透湿性が4,000~8,000 mg/m2/24hくらいになっていますが、実際このくらいの基準で問題ありません。
透湿性が高いことで有名な素材としてはゴアテックス(GORE-TEX)が挙げられますが、ゴアテックスの最高基準の数値は25,000〜98,000 mg/m2/24hとなっています。ただ、高機能ではありますが、ゴアテックスの素材は高価なため、透湿性が高いスノーボードウエアは値段が高くなります。
ハイクアップして雪山登山をするバックカントリーをする方であれば透湿性にこだわるべきですが、ゲレンデで滑るだけであれば5,000 mg/m2/24hくらいを基準として考えておけば問題ないでしょう。
保温性
スノーボードウエアには保温性も大切です。ゲレンデの場所にもよりますが、私たちが拠点を置いている北海道のエリアでは―15度を下回ることも多々ありますので、ウエアの保温性は重要なポイントです。
ただ、スノーボードウエアの保温性を明確に示す数字はありません。
外側の素材だったり、中綿が入っていたり、裏地の種類によって保温性が変わってきますが、実際暖かいかどうかは着てみないとなんとも言えない部分が多いです。
また、厳冬期には保温性が高ければ高いほどいいとなりますが、保温性が高すぎるウエアは春先のゲレンデでは暑くなってしまいます。どの時期にどこのゲレンデで滑るのがメインなのかを考えて保温性を選ぶのが良いでしょう。
おすすめは、保温性は中に着るインナーやフリース、薄手のダウンで調整するという方法です!
パウダーガード
パウダーガードとは、ウエアの内側についていて、雪が裾から入ってくるのを防ぐための機能です。
初心者のうちはよく転んでしまいますので、パウダーガード機能が無ければ、雪が裾から入ってきてしまい、腰やお尻がヒヤッとすることが多くなります。また、上級者の方もパウダーを滑っていると雪が舞ってウエアの中に入ってきてしまいますので、パウダーガードはあったほうがいいでしょう。
ブランドやモデルによってはパウダーガードが取り外し可能なものもあるので、必要がなければ取り外すということもできます。
ちなみに、パウダーガードについてはベテランのスノーボーダーの中でも好みがわかれる機能で、「絶対いる派」と「いらない派」にわかれます(笑)個人的には初心者のうちはあったほうがいいと思いますが、試着してみて違和感があるという方はパウダーガードなしのウエアを選ぶのもアリですね。
ベンチレーション
ベンチレーションは脇の下やパンツのサイドなどについている通気をするための機能です。モデルによっては胸の部分にもベンチレーションがついているものもあります。
もともとのウエアの透湿性機能でもある程度は蒸れを防ぐことができますが、あまりにも暑い日や一時的に汗をかいてしまうようなときはベンチレーションを開けて通気するのがおすすめです。
スノーボードウエアを選ぶときは、ベンチレーションが付いているかどうか、どこに付いているかをチェックしておきましょう。
ウエアのモデルによってはベンチレーションのチャックが開けにくいものもあります。試着の時にチャックがスムーズに開け閉めできるか確認しておくと安心ですよ。
リストゲーター
リストゲーターとは、スノーボードウエアの袖先についている指が開いている手袋のような機能です。
これがあると、転んだときなどに袖から雪が入ってしまうのを防いでくれます。また、手の甲の部分まで覆ってくれるので手全体が冷えてしまうのも防いでくれておすすめです。
ただ、リストゲーターの機能はグローブを工夫すれば代用できますので、他の機能やデザイン性などと合わせて妥協してもOKです。
ポケット
スノーボードウエアを選ぶ時はポケットがついている数や場所も要チェックです。また、チャックがついていてしっかりと閉められるかどうかも重要です。
スノーボードをする際、カバンは持ち歩きませんので、貴重品を入れるポケットは必要です。
また、リフトチケットが磁器付の場合、チケットをスマホやクレジットカード、小銭と一緒に入れてしまうと機械が反応しないため、別々のポケットに入れなくてはなりません。
最低でもジャケットの外側に2個、内側に1個のチャックがついたポケットがあることが必須でしょう。
私は日焼け止めやリップクリーム、目薬などもスノーボード中に持ち歩くので、ポケットの数は多いのが好みです。ちなみに、スノーボード中は転ぶこともあるのでポケットのチャックは必ず閉めるようにしましょう。
パスケース
スノーボードをする際はリフト券が必要になります。ゲレンデによってはリフトの係員にチケットを見せて乗車するというところも多いので、リフトに乗るたびに毎回グローブを外してポケットからチケットを出して見せるというのはかなり面倒です。
パスケースは別売りもされていますが、スノーボードウエアによっては袖のあたりにパスケースがついているものがありますので、そのようなデザインを選ぶのもおすすめです。
スノーボードウエアの選び方~色やデザイン~
スノーボードウエアを選ぶ際に一番悩むのが色やデザインでしょう。ショップに行くといろいろなカラーのデザインがたくさんあって迷ってしまいますよね。
ここまで機能面についていろいろと書いてきましたが、正直、好きなデザインや色でウエアを決めるのが一番だと思います(笑)
ただ、「こんな派手なデザインを着ても大丈夫かな」「パステルカラーはかわいいけど年も年だし」と悩んでしまう方も多いようです。
しかし、スノーボードウエアは街中で着るものではなく、一面真っ白なゲレンデで着るものなので、多少派手なウエアでも悪目立ちすることはありません。逆に黒やグレーなどの色はシックな感じで大人っぽく見えます。
もし、どうしてもウエアのカラーで迷ってしまった時の個人的なおすすめは、パンツのカラーをブラックにしてジャケットで柄を取り入れる選び方です。
なぜなら、ブラックのパンツは超万能だからです。ブラックのパンツはジャケットのカラーやデザインがどんなものでも合わせることができますし、流行り廃りもありませんので長く使うことができます。
ブラックのパンツが1本あれば、ジャケットを2,3種類買っておいて気分でコーディネートすることもできちゃいます。
スノーボードウエアの選び方~サイズ感~
スノーボードウエアは少しゆったり目のものを選ぶのがおすすめです。
そもそもスノーボードウエアは少し大きめに作られていますが、それはスノーボードをするときはウエアにサイズの余裕があったほうが動きやすいからです。そのため、試着したときに少し大きく感じると思いますが、サイズダウンはしなくていいでしょう。
厳冬期などはウエアの下にフリースやダウンなどを着込むことも多いですし、手元もグローブをつけて滑りますので、袖が多少長くても気になりません。
身体に密着するぴったりサイズだと、手足が突っ張ってしまい滑りにくくなりますので、少しくらい大きめのサイズでも問題ないですよ。
ただ、あまりにも大きめのサイズを選んでしまうと、逆に動きにくくなってしまいますし、パンツの裾をひきずって汚れや破れの恐れもありますので、ショップに行った際は必ず試着するようにしましょう。
試着するときは、実際にウエアの下に着る予定のフリースやダウンを着て、グローブをつけて、ブーツを履いてサイズ感を確認するのがおすすめです。
グローブやブーツは、いらないのでは?と思うかもしれませんが、スノーボードウエアだけの試着だとパンツがブーツに被せられなかったり、袖口が短すぎて雪が入りやすくなってしまったりなどなどの不具合が出てきてしまいます。試着の際は必ずグローブとブーツも着用しましょう。
スノーボードウエアはスキーウエアで代用できる?
スノーボード初心者の方の中には、「スキーはやったことがあってスキーウエアならある!」という方も多いですよね。
スキーウエアをスノーボードウエアの代わりとして使うことは可能ではありますが、あまりおすすめはしません。
スキーウエアは全体的にタイトな作りになっているため、スノーボードをするときに動きにくいですし、ちょっと違和感が出てしまいます。
また、パンツに関してもスノーボードブーツの上から被せて履くのがいいのですが、スキーウエアだとタイトな作りになっているので、ブーツの上からパンツをかぶせることができません。
シルエット的にもスノーボードウエアを着たほうが絶対的にかっこいいので、スノーボードウエアを買うことをおすすめします。
スノーボードウエアは安いものでもOK?
ホームセンターや通販サイトではスノーボードウエアが上下セットで5,000円くらいのも売っていますよね。
一方で、スポーツショップなどの専門店に行くと、上下セットで5,000円という激安なものは売っておらず、むしろジャケットだけで50,000円以上、上下揃えると100,000円くらいのウエアが一般的です。
スノーボードウエアだけでなく、板やブーツ、ビンディングなども買い揃えることを考えると安いに越したことはない、と考えてしまいますが、あまりにも安すぎるホームセンターなどのウエアはやめたほうがいいです。
5,000円と50,000円のスノーボードウエアの違いは、耐水性、透湿性、保温性、ストレッチ性の違いに出ていますし、ポケットの数や作り、ベンチレーションの有無など細かい作りにも違いが出ます。
何より、ぱっと見で安っぽく見えてしまうので、せっかくの新しいマイウエアなのに気分が下がってしまい、おすすめできません。
上下で10万円というのは一見高く感じるかもしれませんが、毎日着るものではありませんし、高機能なウエアは作りがしっかりしているので数年着ることが可能です。
どうしてもお値段を抑えたい場合は、型落ちモデルを購入したり、購入する時期を冬終わりにしたりなど工夫するといいでしょう。メーカーのネットショップでもお安く手に入ることもありますよ。
スノーボードウエアをおしゃれに着こなすコツ
せっかくスノーボードウエアを買い揃えるならおしゃれに着こなしたいですよね。
スノーボードのスキルレベルが同じでもおしゃれにウエアを着こなしている人のほうが上手に見えるのも事実です。
ここでは、スノーボードウエアをおしゃれに着こなすコツをご紹介していきます。
大きめをチョイスする
スノーボードウエアはシルエットがかなり大事になってきます。
おしゃれに着こなしたいなら、少し大きめのサイズをチョイスするのがおすすめです。男性だけでなく、女性もかっこいい印象になりますし、滑っていてもサマになります。
いろいろとウエアを試着してみて、自分がかっこいいと思えるシルエットのものを選びましょう。
上下同じブランドで揃える
ジャケットとパンツでそれぞれ別のブランドを買うこともできますが、できるだけ同じブランドで揃えるのがベターです。
サイズ感も揃いますし、生地の質も同じにそろえることができるのでおしゃれ度がアップします。
たとえば、同じブラックでもブランドが違うとトーンが違っていたり生地の質感が変わったりしますので、着こなしに迷ったら同じブランドで揃えるようにするといいですよ。
上下でデザインのバランスを考える
花柄、チェック柄、アーミー柄などなどスノーボードのウエアのデザインにはいろいろありますよね。どれも素敵なデザインですが、上下でバランスを考えないとガチャガチャした印象でクドくなってしまいます。
ジャケットに花柄をチョイスするのであればパンツはデザインの主張が少ないものやパステルカラー一色のものにするなど、全体的にバランスがよくなるように意識して選ぶのがおすすめです。
ポイントカラーを決める
ウエアをおしゃれに着こなすなら、ポイントカラーを決めてその色を上手に目立たせるというのもおすすめです。
たとえば、オレンジは暖色で目立つ色なので、ウエア全体をオレンジにすると派手な印象になってしまいますが、ウエア全体を黒やグレーなどの控え目な色にして、帽子やゴーグルにオレンジを取り入れると、オレンジ色が際立っておしゃれな印象になります。
派手な色と暗めな色を上手に組み合わせると、ファッションにメリハリが出ておしゃれ上級者に見えますよ。
まとめ
いかがでしたか?
自分の好きなデザインのスノーボードウエアが手に入ったら、それだけでもテンションが上がりますし、何度もゲレンデに足を運びたくなりますよね。スノーボードは滑走スキルももちろん大切ですが、ウエアの着こなしもとても重要です。
機能性や着心地もしっかり確認しつつ、気分の上がるデザインのスノーボードウエアに出会えるといいですね!
もし、ウエアのことやスノーボードアイテムこと、スノーボードの練習方法などスノーボードに関してわからないことがあれば、なんでも私たちにお気軽にご相談くださいね。
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