「スノーボードが大好きだけど、実際何歳まで楽しむことができるんだろう」
と思っている方は少なくないのではないでしょうか。
また、
「スノーボードを始めてみたいけど、この年齢から始めることはできるのだろうか」
と始めることを戸惑っている方もいるかもしれませんね。
スノーボードはウィンタースポーツとして、今も昔も人気の根強いスポーツですが、慣れないうちはかなりハードなスポーツなので、スノーボードを続けたり始めたりする際に、年齢を気にしてしまうのは仕方のないことだと思います。
今回の記事では、スノーボードは何歳まで楽しめるのか、ということについて現役のインストラクターである私たちが、詳しく掘り下げて考えていきたいと思います。また、シニア世代からスノーボードを始めることのメリットや、安全に楽しむための注意点、楽しみ方のポイントについても考えていきたいと思います。
スノーボードは何歳まで楽しめるのか?
早速本題に入っていきましょう。
スノーボードは何歳まで楽しむことができるのか、という疑問に関しては、「あなたが滑りたいと思っている限りずっと」というのが結論だと思っています。
極端な話、足腰がしっかりしていて、判断能力もしっかりしていて、やる気さえあれば、何歳になってもスノーボードを楽しむことはできます。
もちろん、ケガのリスクは若いころよりも高くなりますので、それなりの装備や準備、対策を行う必要はありますが、「●歳だから、もうスノーボードができない」という決まりはありません。
ちなみに、僕がこれまで担当させてもらった初心者の生徒さんの中で最高齢は72歳でした!「孫と一緒にスノーボードがしたい!」とやる気満々で1日のレッスンでかなり上達されていましたよ。
私の両親は今現在で65歳と61歳ですが、二人ともスキー場に行けば朝から晩までスノーボードをしていますし、スキル上達にも貪欲です。将来は孫も含めて3世代で滑りたいと言っていたので、まだまだ現役を卒業する気はなさそうですよ!(笑)
年齢が上がれば上がるほど、スキー場に行くのも大変になってきますし、ケガのリスクもあるので「辞める」という選択肢をとることは否定できませんが、「スノーボードが楽しい!」と感じているのであれば、年齢を理由に辞めてしまうのはもったいないというのが、私たちの意見です。
「楽しいか、楽しくないか」
「滑りたいか、滑りたくないか」
判断基準はこれでいいと思います。
スノーボードデビューは何歳までにするべき?
今までまったくスノーボードをしたことがない方は
「何歳までにスノーボードを始めるべきなんだろう」
「もう始めるには遅い年齢かな」
という疑問を持っているかもしれません。
スノーボードは特に初心者のころが体力的にもきついですし、転倒のリスクも出てくるので、できるだけ若いうちに始めたほうが良いに越したことはありませんが、こちらに関しても年齢で上限を決める必要はないと思っています。
体力とやる気があれば、何歳でもスノーボードを始めることは可能です。
ただ、安全に楽しむために注意すべきことがありますので、後ほど【40代以降でスノーボードを始める際の注意点】で詳しくお伝えしていきたいと思います。
逆に、若い年齢としては何歳からスノーボードができるのか、という疑問に関しては、雪の上でもしっかりと歩けるようになっている4~5歳からがいいのではないかと思います。
子供のうちは背が低いので雪面から近く、転んでもあまり痛くありませんし、体もやわらかいのでケガもしにくいというメリットがあります。しかし、体がしっかりとできてからのほうが上達がスムーズで本人も楽しむことができるので、最低でも4歳までは待った方がいいでしょう。
おすすめとしては、3歳~4歳くらいのときに、まずスキーをさせて雪の上を滑る感覚を覚えさせてから、スノーボードと両立して教えてあげる方法です。スキーであれば両足が固定されていないので子供が幼いうちは扱いがしやすくなります。
お子さまに小さい頃からスノーボードをさせたい場合、滑ることだけでなく、リフトの乗り降りもかなり大変になります。安全にスノーボードを楽しんでもらうためにも、プロのインストラクターを付けることがおすすめです。
40代・50代・60代からスノーボードを始めるメリット
ここまでで、「スノーボードは何歳になっても楽しめる!」「何歳からでも始められる!」とお伝えしてきましたが、ある程度年齢を重ねた、いわゆるシニア世代でスノーボードをすると聞くと、とても大変そうなことのように思えるかもしれません。
しかし、シニア世代だからこそのスノーボードの楽しみ方や始めるメリットがたくさんあります。
新しい刺激が得られる
スノーボードに限ったことではありませんが、新しいスポーツを始めると新しい刺激がもらえます。
今まで経験したことのないスポーツであるスノーボードを滑れるようになるためには、多くの事をいち早く吸収して理解し、それを体の各神経系統に伝えて、スノーボードを操っていかなければなりません。
身体だけでなく、脳みそも新しい刺激をバンバン受けることができるので、自然と気持ちも若返っていきます。
すぐに滑れるようになる人も、なかなか滑るのに苦戦してしまう人も、スノーボードをすることで新しい世界が見えてくるはずです。
年齢を理由にしなくなる
新しい刺激をもらって心と体が若返っていくことで、あらゆるシーンで年齢を理由にしなくなってきます。
それまでは
「もう自分は●歳だから・・・」
と年齢を理由にあきらめていたことも
「●歳だけど、この歳でもスノーボードを始められたんだから、これもできるはず!」
と前向きに考えられるようになる方がとても多いです。
年齢を理由に、やりたいことや興味のあることを諦めるなんて、もったいないです。
スノーボードをはじめたことがきっかけで、年齢を理由に何かを諦めることがなくなったり、積極的に新しいことにトライするようになれたりするのは、かなり大きなメリットではないでしょうか。
体力・体幹が鍛えられる
正直、スノーボードは初心者のころはかなり体力を使います。また、バランス感覚が重要なスポーツなので体幹も必要です。
そのため、スノーボードを始めた直後は、体力的にも筋力的にもきついと感じることが多いかと思いますが、滑っていくうちに体力も筋力も、そして体幹もかなり鍛えられていきます。
日常生活で体力や体幹を鍛えるとなると、少し億劫に感じてしまうかもしれませんが、スノーボードであれば楽しみながら滑っているうちに体力と体幹が鍛えられていくので、一石二鳥ですね。
若い頃よりお金をかけられる
スノーボードは若いうちから始めたほうがいいと思われていますが、シニア世代だからこそのメリットもあります。
シニア世代のほうが経済的にも若い頃より余裕がある方が多いので、高品質なギアにお金をかけることができて、より快適に、より安全にスノーボードが楽しめるというメリットがあります。
ギアだけでなく、泊まる場所もスキー場から近くてクオリティの高いホテルに泊まることもできるので、スノーボードだけでなく旅行も一緒に満喫できるのは、若いときにはなかなかできない楽しみ方です。
若い頃より時間を自由に使える
お金と同様、時間も若い頃よりは融通が利きやすくなっている方が多いでしょう。
遠方のスキー場に行くとなると、最低でも2泊3日は必要ですが、若い頃はなかなか休みも取りにくく、スノーボードに行く頻度があまり取れないことが多いです。
一方、シニア世代で時間もお金も余裕が出てくると、長い旅行期間を確保することがしやすくなるので、ゆったりとスノーボードを満喫することができるのは大きなメリットでしょう。
子供や孫との共通の趣味ができる
これは、実際の生徒さんでシニア世代からスノーボードを始められた方を見ていて気付いたのですが、お子さんやお孫さんと一緒に楽しめる趣味ができるというのも、とても大きなメリットだと思います。
レベルの差は多少あったとしても、同じゲレンデで同じスノーボードを一緒に楽しむことができるので、共通の趣味をお子さんやお孫さんと持てるというのは、家族の絆を深めるきっかけにもなるでしょう。
お子さんやお孫さんがスノーボードを通して、スキルだけでなく、人間的にも成長していくのを間近で見られるのもうれしいポイントですし、逆に「お父さん、スノーボードうまくてかっこいい!!」などとかっこいい一面を見せられるのも大きなポイントでしょう。
普段はなかなか素直になってくれない思春期のお孫さんとも、スノーボードを通して接すれば、友達同士のような関係を築くこともできるかもしれませんよ。
40代・50代・60代でスノーボードを始める際の注意点
シニア世代からスノーボードを始めることはもちろん可能ですし、うれしいメリットもたくさんありますが、どうしても年齢が上がってくると体にかかる負担が大きくなってしまうのも事実です。
ケガをしないよう、安全にスノーボードを楽しむためには、以下の注意点をしっかりと守ることが大切です。
準備運動をしっかり行う
これはシニア世代に限らず、若い方も実践すべきことですが、滑り出す前に必ず準備運動をしっかりと行いましょう。
普段運動しているから大丈夫、と思っていても、スノーボードでは普段あまり使わない筋肉を使うことが多いため、準備運動なしでいきなり滑ると、体のあらゆる部分が痛くなってしまいます。
ケガを予防するためにも、翌日の筋肉痛を少しでもやわらげるためにも、準備運動は必ず行ってください。
特に、ケガをしやすい手首のストレッチや、痛めやすい腰回りのストレッチは入念に行うようにしてくださいね。
ヘルメットやサポーターなどを身に着ける
初心者のうちはどうしても転んでしまうことが多くなりますので、転んでしまった時にケガをしないよう、ヘルメットやサポーターを着用することをおすすめします。
ヘルメットは寒さ対策にもなりますし、転んだときにゴーグルが飛んで行ってしまうのを防ぐ効果もあり、とても便利です。
また、サポーターは手首と膝のサポーターをつけるのが安心です。
自己流ではなくレッスンを受ける
30代以上ではじめてスノーボードを滑るという方は、プロのインストラクターによるレッスンを受けることを強くおすすめします。
初めてスノーボードを滑るときは、ゲレンデを滑ることだけでなく、板の装着や、片足での移動、リフトの乗り降り、板をつけての起き上がりなど、あらゆる場面で四苦八苦してしまいます。
特に、初めてスノーボードをする方にとって、板をつけたまま起き上がるのはかなり難易度が高く、起き上がるだけで体力を消耗してしまうケースが非常に多いです。
レッスンに入っていれば、インストラクターが起き上がるのをサポートしてくれるので体力を消耗せずに滑ることに集中できますし、リフトの乗り降りも転ばないようにしっかりとサポートしてくれるので安心です。
また、レッスンを受ければ、最初に安全な転び方も教えてもらえるので、練習中に転んでもケガのリスクを最小限に抑えることができるため、安心してスノーボードを楽しむことが可能です。
初めてスノーボードを滑る場合、レッスンの中でも特にプライベートレッスンを受けるのがおすすめです。プライベートレッスンであれば、自分たちだけをインストラクターが見ていてくれるので、サポートも手厚くなりますし、他の人にペースを合わせなくていいので体力的にも無理なくスノーボードを滑ることができます。
適度に休憩をとる
年齢に関係なく、スノーボードを滑る際は適度に休憩をとりながら無理のない範囲で楽しむことが大切です。
身体が疲れてくると、ケガのリスクも上がってしまいますし、集中力が切れてきて上達の妨げにもなってしまいます。
また、特に年齢が上がってくるにつれてスノーボードで腰を痛めてしまうこともありますので、適度な休憩をとることで腰を休めながら滑るようにしましょう。
安全に楽しくスノーボードを滑るためにはレッスンを受けることがおすすめですが、グループレッスンで他の生徒さんもいる状況だと自分の都合で休憩をとることができないので、そういった点でもプライベートレッスンで自分のペースで滑ったり休憩を入れたりできるほうが安心ですよ。
アフターケアをしっかりと行う
スノーボードをはじめてする方は、ほぼ100%に近い確率で次の日筋肉痛になります。しかもけっこう激しい部類の筋肉痛です。
普段からスポーツなどで体を動かしている方であっても、いつもは使わない筋肉を使うのがスノーボードですし、緊張もしているので体にはかなりの疲労がたまることが考えられます。
そのため、スノーボードを滑り終わったら、クールダウンのためのストレッチを行うのはもちろん、ゆっくり温泉につかって体をほぐしたり、打ち身がある場合は患部を湿布などで冷やしたりして、アフターケアもしっかりと行うことが大切です。
雪質のいいスキー場、時期を選ぶ
初めてスノーボードデビューをするという場合、できるだけコンディションのいいところを選ぶことも重要です。
一言でスキー場と言っても、場所によってはふかふかの雪で転んでも大して痛くない場所もあれば、カチカチの雪で転んだらケガのリスクがかなり高くなってしまう場所もあります。
年齢が上がってくると、どうしても転んだときのケガのリスクは高くなりますので、できるだけ雪質の良いスキー場で、なおかつ1月2月などのハイシーズンを選んで滑りにいくといいでしょう。
雪質がいいところのほうが、転んだときの恐怖感を持ちにくいので、上達も自然と早くなっていきますよ。
できれば日帰りは避ける
日帰りで行ける距離にスキー場がある場合であっても、できれば日帰りではなく泊りで滑りに行くほうが安心です。特に、自分で車を運転してスキー場まで向かう場合は要注意です。
スノーボードは初心者の時期は想像以上に体力を消費するスポーツです。また、朝から滑るために当日は早起きをして移動しなければいけませんし、楽しくなってきて一日中ゲレンデにいることもしばしばです。
滑っているときは気が付きにくいですが、スノーボードブーツを脱いだ途端に疲労が襲ってくることもあると思います。そのような状態で車を運転してしまうと、集中力が欠けてしまってとても危険ですので、できれば日帰りではなく泊りにして余裕をもって移動するようにしましょう。
どうしても日帰りでなければ行けないという場合は、バスや新幹線など公共交通機関を使うようにしてくださいね。
シニア世代のスノーボードの楽しみ方
スノーボードと一言で言っても、カービング、グラトリ、パーク、バックカントリーなどさまざまなジャンルやスタイルがあります。
ここでは、シニア世代からスノーボードを始めた方にもおすすめの楽しみ方をご紹介していきます。
景色を楽しむお散歩フリーラン
スノーボードの醍醐味の一つは、壮大な大自然の中で、非日常的な銀世界を楽しむということでしょう。
スキー場で山頂までリフトで上がっていけば、日常生活では見られない絶景が見られるはずです。そんな絶景を見ながらスノーボードを滑っていくのは最高の気分に浸れます。
景色を楽しみながらのお散歩フリーランは、ターンができない初心者の時期にも、木の葉滑りさえできれば楽しむことができます。
ある程度木の葉滑りをマスターしたら、各スキー場の山頂絶景巡りを楽しんでみてもいいかもしれませんね
関連記事:まずは木の葉滑り!スノボ初心者がゲレンデを楽しく滑るためのステップ
らくらくカービング
スノーボードのスキルアップを目指していきたい!という段階に入った方は、カービングにチャレンジするのもおすすめの楽しみ方です。
カービングと聞くと、難易度が高くかなりの上級者しかできないイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんが、それほど力を加えなくてもできる、通称「らくらくカービング」であれば、体力に自信がない方や、年齢が上の方も十分楽しむことができます。
らくらくカービングは、急斜面でがっつり体軸を倒して滑るカービングではなく、緩斜面や中斜面である程度スピードをつけて軽く体軸を倒して滑るカービングです。ターンができてきて、中斜面以上を滑れるようになっていれば誰でも挑戦することができます。
らくらくカービングをマスターできれば、かっこよくゲレンデを滑ることができるのはもちろん、無駄な力を入れずに滑れるようになるので、疲労を感じずに長時間スノーボードが滑れるようになりますよ。
参考記事:レベル別解説|カービング初~上級者におすすめしたいカービング板13選
サイドカントリーのパウダースノー
スノーボードが上達してきてもっといろいろなジャンルに挑戦したい!何歳になっても冒険してみたい!という方には、サイドカントリーでパウダーを楽しむのもおすすめです。
サイドカントリーとは、スキー場のコースサイドで楽しむことができるスポットのことで、ゲレンデの中にありながら、自然の中のパウダーを手軽に楽しむことができます。
ゲレンデの圧雪バーンだけでは物足りない!パウダーの浮遊感を味わってみたい!という方は、サイドカントリーのパウダースノーに挑戦してみてもおもしろいと思います。
ただ、スキー場の管理下にはあるものの、コースを把握していなければ、危険な場所に立ち入ってしまうリスクもありますので、サイドカントリーをする場合は必ずインストラクターをつけるようにしてくださいね。
わたしの両親も二人とも還暦をとっくに超えていますが、最近サイドカントリーのパウダーツリーランにハマっています!何歳になっても新しい発見があったり、チャレンジ精神をかきたててくれたりするスノーボードは夢があっていいなと思います!
まとめ
スノーボードは何歳まで楽しめるのか、というのは、スノーボードが好きな人なら一度は考えたことがあるでしょう。
冒頭でもお伝えしましたが、スノーボードは楽しいと感じている間は、何歳になっても続けることができます。
もちろん、年齢が上がればケガのリスクは高くなりますので、しっかりと対策と準備を行ってから滑りに行くのは大前提ですが、年齢を理由にあきらめる必要はありません。
何歳になっても新しいことに挑戦し、スノーボードの魅力をどんどん味わっていってもらえたらうれしいです。
「年齢のことが心配でなかなかスノーボードを始めることに踏み切れない」「ケガのリスクを抑えてスノーボードを楽しんでみたい」という方は、ぜひ私たちA級インストラクターにご相談ください。
スノーボードの楽しさを150%味わえるよう、全力でサポートさせていただきます。
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