「かっこよくエッジを立ててカービングしたい!」
「カービングターンのキレと安定感がほしい」
「手をつくようなカービングターンがしてみたい!」
このように考えている方は多いのではないでしょうか。
近年、スノーボードをしている方の中でカービングが流行ってきています。実際、エッジを立てて綺麗なバーンに自分のターン弧を刻んでいくのはとても気持ちが良く、カービングはスノーボードの楽しさを倍増させてくれます。
カービングにハマってくるとカービングに適したスノーボード板が欲しくなりますよね?
カービング用の板は各ブランドからたくさんのモデルが出ていて、どれも魅力的なのですが、サロモンのスノーボード板でどれがいいのか迷っている方もいらっしゃると思います。
サロモンの板はクオリティに対して比較的値段もリーズナブルなものが多く、ネットでも多く出ているので入手がしやすいというメリットがあります。
そこで今回は、現役のA級インストラクターである私たちが、サロモンの中でもカービング性能に優れたおすすめモデルを厳選してご紹介していきたいと思います。
サロモンのスノーボードがカービングに強い理由
サロモン(Salomon)はフランス発のスノースポーツブランドで、スキーとスノーボード両方で高い評価を得ているブランドとして有名です。
今回はサロモンのスノーボード板の中でも特にカービング性能を重視するモデルについてご紹介していきますが、サロモンのカービングモデル板にはどのような特徴があるのか、簡単にまとめてみました。
- トリプルラディウスやクワッドラディウスなど独自のサイドカット技術
- 高反発&高剛性の素材を使ったコア設計
- 正確なエッジグリップを可能にするキャンバー形状
- スピードを出しても安定する構造設計

専門用語も出てきてちょっとわかりにくいですが…カービング性能に優れた板をサロモン独自の技術で作ってくれているということです★
関連記事:スノーボード|カービング初心者が練習するときに意識すべき3つのこと
サロモンのカービング板を選ぶときのポイント
サロモンブランドの板に限ったことではないのですが、自分に合った適切なカービング板を選ぶ時にはチェックポイントがいくつかあります。この章では、適切なカービング板を選ぶときのポイントについてみていきます。
【形状】カービングに最適なのは「キャンバー」or「ハイブリッドキャンバー」
まずは、板の形状からチェックしていきましょう。板の形状は、カービング性能を大きく左右するのでとても重要なポイントです。
[画像]
形状タイプ | 特徴 | カービング適性 |
キャンバー | 板の中央が反っている形状。反発力があり、エッジグリップが強い | ◎ |
ハイブリッドキャンバー | 足元にキャンバー、ノーズとテールにロッカー。バランスが良く乗りやすい | ○ |
フラット | 全体的に平らで安定感があるが、カービングでは反発がやや弱い | △ |
ロッカー | ノーズとテールが持ち上がった形。操作性は良いがエッジが抜けやすい。グラトリ派におすすめの形状 | × |
こちらの表からもわかるように、カービング板におすすめなのはフルキャンバー or ハイブリッドキャンバーです。
がっつりカービングを楽しみたい、高速カービングをしたい、急斜面でも安定してエッジを噛ませたい人はフルキャンバーがおすすめで、やや扱いやすさも欲しい人はハイブリッドキャンバーがおすすめです。
【フレックス】しっかり踏み込める「中〜硬め」のフレックスを選ぶ
フレックス(板の硬さ)もカービングをするには重要で、カービング時の安定性と反応性に直結します。まずは表を確認しましょう。
フレックス | 特徴 | 対象者 |
ソフト(1〜4) | 扱いやすいが、高速での安定性に欠ける | 初心者向け |
ミディアム(5〜6) | 操作性と安定性のバランスが良く、万能タイプ | 初中級〜中級者向け |
ハード(7〜10) | 高速域での安定性が高く、正確なエッジングが可能 | 中級〜上級者向け |
とにかくカービングをしたい!!という方はミディアムフレックス〜ハードフレックスがおすすめです。
柔らかすぎるとエッジが抜けやすく、なかなか思うようにカービングがしにくくなってしまうので、ある程度の硬さが必要です。ただ、カービング初心者の方や、少しカービングもやってみたいな、というくらいの方は、硬すぎると扱いが難しく、疲れやすくもなってしまうので、ミディアムフレックスにしておくのがベストです。
【長さ】安定感と反発を得たいなら「やや長め」を選ぼう
板の長さもカービング性能に大きく影響します。一般的なスノーボードの長さの目安としては、身長―15cmと言われていますが、カービング用の板においては―15cmでもかなり短めという印象になります。
以下の表では、カービングをする上での板の長さの目安をまとめてあります。
サイズ | 特徴 |
短め(身長−15cm程度) | 操作しやすいが、カービング時の安定性・反発力が弱い。カービングを少しだけやってみたいというカービング初心者におすすめの長さ。 |
標準(身長−10cm) | 操作性と安定感のバランスが良い。ある程度カービングもできてきて、かつトリック系も練習したい方におすすめの長さ。 |
長め(身長―5㎝〜+5cm) | 高速でも安定し、深く鋭いカービングが可能。カービング中上級者で、カービングをメインで滑る方におすすめの長さ。 |
本格的にカービングを極めていきたい方は、やや長めの板を選ぶのがいいでしょう。ただし体重が軽い方や、女性の方はあまりにも板が長いと扱いにくくなってしまうので、体型とのバランスも考慮するのがいいですね。
【サイドカーブ】キレのあるターンには「小さめのR値」が効果的
サイドカーブとは、板のくびれの曲率(円の半径)を表す値で、カービングターンの弧の大きさに関係する指標です。
R値(半径) | ターンの特徴 | 対象スタイル |
小さい(6〜8m) | 小回り・クイックなターン向き | ショートターン、ゲレンデカービング |
標準(8〜10m) | バランスの良いターンが可能 | オールラウンド |
大きい(10〜13m以上) | 大きな弧を描く安定したロングターン | スピード重視のカービング |
ショートターンのカービングをやりたい方や、検定を目指している方などは、R値が小さいモデルがおすすめです。
高速でビッグターンを気持ちよく滑りたい方は大きめのサイドカーブが向いています。
【有効エッジ】雪面を捉えることができるエッジの長さ
有効エッジとは、板が雪面と接しているエッジ部分の長さのことです。
この部分が長いほど、カービング時にしっかりと雪面をグリップすることができ、安定したターンが可能になります。
- 有効エッジが長い:エッジグリップ◎・直進安定性◎・ショートターンなどのクイックな動きはやりにくい。
- 有効エッジが短い:クイックな動きはやりやすく操作性は良いがエッジの食いつきは弱め
カービング重視の方は有効エッジが長めのモデルを選ぶのがおすすめです。有効エッジは見逃しやすいチェックポイントですが、カタログやスペック表では必ず有効エッジの長さも要チェックです!
【ウエスト幅】足とエッジの一体感を左右する
なかなかカービング初心者の方は注目しにくいポイントではありますが、ウエスト幅(ボードの最も細い中央部分の幅)は、エッジの切り返しやスムーズなターンに関わる重要な要素です。
カービングをより極めていきたいという方は、板のウエスト幅にも注目してみましょう。
ウエスト幅 | 特徴 | 向いている人 |
細め(24〜25cm) | エッジtoエッジが素早く、キレのあるターンができる。 | 足が小さめ・男性全般 |
標準(25〜26cm) | バランス重視。いろんなスタイルの人に合う | 多くの中級者 |
ワイド(26.5cm以上) | 大柄な人・足が大きい人向け | 足のサイズ27.5cm以上の人 |
足のサイズが26.5cm以上ある人は、カービングターンのときにドラグしてしまう恐れもあるのでワイドボードも視野に入れましょう。逆に小さい足でワイドを選んでしまうと、ターンの切り返しが鈍くなるので注意です。
【ディレクショナル形状】進行方向に特化したターン性能
カービングボードは、多くがディレクショナルまたはディレクショナルツインのシェイプになっています。
今現在、ツインシェイプの板に乗っていて、カービングがやりにくいと感じる方は、ディレクショナルのシェイプの板に乗り換えるのがいいかもしれません。
シェイプタイプ | 特徴 | カービング適性 |
ツイン | 前後対称。スイッチやグラトリ向き | △ |
ディレクショナルツイン | ノーズ長めで重心は中央。バランス型 | ○ |
ディレクショナル | ノーズとテールの形が異なり、進行方向に特化 | ◎ |
カービング専用の板が欲しい!という場合はディレクショナルが最適です。進行方向の操作性が高く、板のしなりを最大限に活かして深いターンが可能になります。
ただ、スイッチも滑りたい、グラトリもたまにやりたいという方はディレクショナルツインを選ぶのがバランス的におすすめです。
関連記事:レベル別解説|カービング初~上級者におすすめしたいカービング板13選
サロモンのカービング向けスノーボードおすすめモデル4選
ここからはサロモンブランドのカービング向けのモデルを見ていきましょう。ここまでで解説してきたチェックポイントを踏まえて自分に合ったカービング板を見つけてくださいね。
SALOMON SUPER 8 PRO(スーパ―エイト プロ)
概要
SUPER 8 PROは、高速滑走・カービング・フリーライディングに特化した本格派モデル。フルキャンバーよりも扱いやすい「Backseat Camber(バックシートキャンバー)」を採用し、強いエッジグリップと高い操作性を両立しています。
特徴
- Backseat Camber:後ろ足側にキャンバー、前足側はフラット〜ロッカー気味。深いターンとパウダーでの浮力を両立。
- Ghost Green Core:軽量&反発力のある天然素材コア。反応が非常にクイック。
- Popster Pro + C/FX Basalt:ジャンプやターンでの爆発的な反発力を生み出す構造。
- テーパー形状(10mm):後ろ足がやや細く、ターンの導入がスムーズ。カービング時の切れ味UP。
向いているスタイル
- パワフルなカービング
- スピード感のあるフリーラン
- 地形を使ったナチュラルライド
SALOMON ASSASSIN PRO(アサシン プロ)
概要
SALOMONの中でも最上級クラスのオールマウンテンモデル。通常のASSASSINのスペックを強化した「PRO」仕様で、カービング+ジャンプ+地形遊びすべてに対応。
特徴
- Rock Out Camber:足元はキャンバー、ノーズとテールはフラットとロッカーを組み合わせたハイブリッド形状。
- Quadralizerサイドカット:ターン中のグリップを最大化。特に中〜高速域でのカービング性能が高い。
- Ghost Green Core + C/FXバサルト/カーボン:軽くて強く、レスポンス抜群。
- Sintered EGベース:スピードと耐久性を兼ね備えた高性能ソール。
向いているスタイル
- フリースタイル × 高速カービングの両立
- パークライドから地形遊び、バックカントリーまで幅広く対応
- ハードバーンでもしっかりエッジを使いたい人
SALOMON HUCK KNIFE PRO(ハックナイフ プロ)
概要
トリック性能を重視しつつ、カービングにも強いという異色のツインチップボード。プロモデルは通常のHUCK KNIFEよりも硬くて反発力が高く、しっかりエッジを使ってターンが可能です。
特徴
- Rock Out Camber:キャンバー形状をベースに、足元の反発と安定感を確保。
- True Twin:完全対称の形状なのでスイッチライディングやスピンに強い。
- ポップ感のあるPopster Booster構造:オーリーやターン時の反発力が大幅に向上。
- レスポンスに優れたC/FXインレイ:高いスピードでも安定。
向いているスタイル
- カービングだけでなく、スロープスタイルやジャンプもやりたい人
- 地形やパークを流しつつもエッジワークも重視するライダー
- トリック練習しながらも、しっかりカービングも極めたい中級者以上
SALOMON SIGHT(サイト)
概要
SIGHTは、エントリーモデルながらも安定性が高く、カービング入門に最適なモデルです。操作性とコントロールのしやすさが魅力で、初中級者にとっては非常に心強い一本です。
特徴
- Directional Twin + Camber:基本はディレクショナル寄りで滑りやすく、足元はキャンバーで安定感がある。
- バランスのとれたフレックス:柔らかすぎず、コントロールしやすい。
- Aspen Strong Core:耐久性と安定性の高いウッドコアを使用。
- All-Terrain Rocker:少しだけロッカーが入っており、ターン導入が楽。
向いているスタイル
- カービング練習を始めたい初中級者
- ゲレンデで安定して滑りたい
- 取り回しの良さと安定性を両立したい人
まとめ表(比較)
モデル名 | レベル | 特徴 | カービング性能 | 推奨スタイル |
SUPER 8 PRO | 中上級者 | 高速・安定・反発 | ★★★★★ | パワーカービング・フリーライド |
ASSASSIN PRO | 上級者 | 万能・高レスポンス | ★★★★★ | オールマウンテン・地形遊び |
HUCK KNIFE PRO | 中上級者 | トリック×カービング両立 | ★★★★☆ | パーク×ターン |
SIGHT | 初中級者 | 安定・扱いやすい | ★★★☆☆ | カービング練習・クルージング |
このように、それぞれのモデルには個性があります。「カービングをどう楽しみたいか」という視点で選ぶべきモデルが変わってきますので、ぜひ自分がどんな滑りを極めたいか考えてみましょう。
まとめ
サロモンのスノーボードは、カービングの楽しさやターンの奥深さをしっかり引き出してくれる高性能なモデルばかりです。理想のスタイルやレベルに合わせて、自分に合った一本を選んでください。
私たちSamuraiSnowConciergeは、サロモンブランドのお勧めカービング板モデルの情報はもちろん、そのほかのアイテム選びのコツや、スノーボードの滑りの技術などもご紹介しております。
もし、スノーボードに関してわからないことや疑問があれば、ぜひお気軽に私たち現役のA級インストラクターにご相談くださいね。
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