スノーボードの板を買うとき、必ずと言っていいほど候補に挙がるのがサロモンの板ではないでしょうか?現役のインストラクターとしてたくさんの生徒さんを教えている私たちも、レッスン用の板としてもサロモンを愛用していますし、プライベートでサイドカントリーに行くときの板や、グラトリを練習するときの板として多くのサロモンの板を愛用しています。
よく、レッスンしている生徒さんから
「レンタルの板を卒業したいんだけど、どこのブランドの板がいいの?」
「自分にはどの板が合うのかな?」
などご質問をいただきます。
そこで今回は、現役のA級インストラクターである私たちが、脱レンタル板を考えている初心者の皆さまに、おすすめのサロモン(Salomon)スノーボードの板モデルやスノーボードの板を選ぶ時のポイントを詳しくご紹介していきたいと思います。
初めての板選びの参考にしていただければ幸いです。
スノーボード初心者にサロモンが選ばれる理由とは?
サロモンは、フランス発の老舗ブランドで、長年にわたる技術開発によって、初心者でも安心して使えるスノーボード板を多数展開しています。実際、スキー場で貸し出しているレンタルのスノーボードとしてサロモンの板を採用しているところは多数ありますし、私たちの生徒さんでもデビューボードがサロモンという方は大勢いらっしゃいます。
サロモンがスノーボード初心者に愛され続ける理由については、以下のような理由が挙げられます。
・軽量なので板の扱いに慣れていない初心者や力の弱い女性でも扱いやすい
・エッジの引っかかりが少ない設計で逆エッジになりにくく滑りやすい
・初心者向けでもデザイン性が高く選ぶ楽しさがある
・コストパフォーマンスに優れている
・多く出回っているので中古品や型落ちモデルも手に入りやすい
初心者の方が最初に買うスノーボードとして、あまりにも高価すぎるものは手が出しにくいと思いますが、サロモンの板はクオリティに対して値段がかなり抑えられているのでコストパフォーマンスがかなり高いのが特徴です。
また、デザインの展開も多いため、お気に入りの一本を見つけやすいというメリットもあります。中古品や型落ちモデルも多数出回っているので、気軽に購入しやすいのもメリットですね。
初心者がスノーボードの板を選ぶ際のポイント
自分だけの板を買うとなると、とてもワクワクしてきますよね。サロモンの板は機能性が良いだけでなくデザインも豊富なので、選ぶときから楽しさも倍増です!
しかし
「サロモンの板が初心者に向いているということはわかったけど、実際どの板を選べばいいんだろう」
「自分に向いている板はどんなものがあるんだろう」
と悩んでしまいますよね。
この章では、スノーボード初心者が初めて板を購入する際にチェックすべきポイントを詳しく解説します。
自分の身長と体重に合った長さを選ぶ
板選びで最初に大切になってくるのが、長さです。短い板は扱いやすいですが滑っているとき不安定になりやすいですし、長い板は滑っているときに安定しやすいですが初心者にとっては扱いが難しくなります。
適切なスノーボードの長さは、身長と体重を基準に選びます。一般的に、初心者は顎〜鼻の高さくらいの長さが扱いやすいとされています。また、身長だけでなく体重も参考に板を選ぶことが大切で、体重が重い人はやや長め、軽い人は短めを選ぶと安定しやすくなりますよ。
目安(身長160cmの場合)
- 初心者向け:145〜150cm前後の板がおすすめ
柔らかめのフレックス(硬さ)を選ぶ
続いて、板のフレックス(硬さ)についてです。見た目ではわかりにくいですが、板にはそれぞれフレックスと呼ばれる硬さがあります。同じ長さのスノーボード板でも、フレックスが硬めの板と、フレックスが柔らかめの板では扱いやすさや安定感が全然違ってきます。
初心者が板を選ぶ際には柔らかめの板(ソフトフレックス)が適しています。柔らかい板は力の入れ方が慣れていない初心者の方でも操作がしやすく、エッジの引っかかりが少ないため、ターンしやすくバランスを取りやすいのが特徴です。逆に硬い板は高速安定性がありますが、操作が難しくなります。
そのため、初心者のうちは柔らかめのフレックスの板を選び、上達してきて滑走のスピードがあがってきたタイミングで硬めの板に買い替えるというのも一つの手でしょう。
シェイプは「ツインチップ」か「ディレクショナルツイン」
ぱっと見では少しわかりにくいのですが、スノーボード板には板の形状にもいろいろと種類があります。主には3種類で、ツインチップ、ディレクショナル、ディレクショナルツインです。
初心者におすすめなのはツインチップかディレクショナルツインの2つです。
- ツインチップ:前後対称で、スイッチ(逆足)でも滑りやすい。パークやグラトリに向いている。
- ディレクショナルツイン:見た目はほぼ対称だが、ノーズ(前)が少し長い。フリーランに最適で安定感がある。
スノーボードは基本的にどちらかの足を常に前足として一方向に滑っていきますが、初心者のうちはどちらが利き足かわかりにくいですし、板をうまく扱えずに左足が前足になったり右足が前足になったりして進行方向が定まらないことが多いです。
そのため、どちらの足が前足になっても滑りやすいように前後対称のツインチップが一番おすすめです。
もし、ある程度自分の効き足がわかってきている段階であればディレクショナルツインを選んで滑りに安定感を求めるのもおすすめです。
いずれにしても、どちらもバランスが良いので初心者におすすめの形状です。
ロッカー構造 or フラット構造の板を選ぶ
こちらも見た目が少しわかりにくいですが、スノーボードの反りにもいくつか種類があります。主に、キャンバー形状、ロッカー形状、フラット形状、Wキャンバー形状の4種類があります。
初心者におすすめなのは、ロッカー形状かフラット形状です。
- ロッカー(逆反り):板の中央が接地し、両端が浮いている形状です。ひっかかりにくいため、逆エッジなどで派手に転ぶことも少なくなりますので、恐怖心が強い方には特におすすめです。ただ、ひっかかりがほぼないため、ターンの練習に差し掛かったタイミングだと扱いにくいと感じることも多くなってしまうので、その点は注意が必要です。
- フラット:完全な平面で安定感が高い形状です。エッジがしっかり噛むのでエッジングの感覚を学べます。ある程度板の扱いに慣れてきてターンの練習を本格的に始める方におすすめです。
デザインも重視してモチベーションアップ!
「初心者だからデザインよりも機能性を重視しないといけないのかな?」と思われがちですが、初心者の方でも、気に入ったデザインの板を選ぶことはとても大切です。
見た目が気に入っていると、自然にたくさん滑りたくなりますし、スキー場に行くモチベーションも上がります。
スノーボードはセンスというよりも滑った回数がものをいうスポーツなので、お気に入りの板でたくさん滑れば滑るほど、確実に上達していきます。
モチベーションがあがるような、お気に入りの一本を見つけられると良いですね。おすすめのサロモンの板については、後の章で詳しくご紹介していきますね。
できればセットモデルを検討しよう
スノーボードの板をレンタルではなく自分で買うとなった場合、ビンディングやブーツも必要になってきます。厳密にいうとブーツだけレンタルするということもできますが、やはり気分的にも自分の足へのフィット感という点でも自分専用のブーツを買うのがお勧めです。
ブーツにいての詳細はこちらの[現役イントラ徹底解説!スノーボードブーツの選び方とおすすめモデル[完全版]]の記事でもご紹介しております。
板だけでなくビンディングもブーツも用意するとなった場合、初心者の方には、板・ビンディング・ブーツがセットになったモデルを選ぶのもおすすめです。
同じブランドなのですべてがうまくフィットして使いやすいですし、価格も抑えることができます。必要なものがすべて揃っているので、そのままゲレンデにいってすぐにマイボードデビューができちゃいますよ。
サロモン初心者向けおすすめスノーボード板【男性or体力のある女性向け】
ここからは、いよいよサロモンの初心者向けのおすすめボードをご紹介していきます。
この章では、主にスノーボード初心者の男性や、体力・筋力が比較的あるという女性におすすめのサロモンの板をご紹介していきます。女性向けの板については次の章で詳しくお伝えしていきますね。
SALOMON PULSE(パルス)
- 形状:フラットアウトキャンバー
- 特徴:柔らかめでバランスの良い滑りがしやすいモデルです。最も初心者に推されるモデルといっても良いでしょう。
- 価格帯:約40,000〜50,000円
フラットな形状で安定性が高く、最初のターン練習にもぴったり。
SALOMON SIGHT(サイト)
- 形状:ハイブリッドキャンバー(ディレクショナル)
- 特徴:少し進んだ滑りも目指せるオールラウンド板。中級者ではないけれど初心者でもないかな?という上達中の方におすすめのモデルです。
- 価格帯:約45,000〜55,000円
初心者から中級者まで長く使える1本。グラトリにも対応可能。
SALOMON CRAFT(クラフト)
- 形状:ハイブリッドキャンバー(ツイン)
- 特徴:グラトリ入門にもおすすめの柔らかボード。もちろん、初心者にもぴったりのモデルです。
- 価格帯:約55,000〜65,000円
操作性がよく、地形遊びやパークにも挑戦したくなるモデル。初心者から上達した後にも長く使えます。
SALOMON HUCK KNIFE GROM(ハックナイフ グロム)※小柄な男性・ジュニアにも
- 形状:トゥルーツイン
- 特徴:軽くてコンパクト、子ども〜小柄な初心者向け
- 価格帯:約40,000〜50,000円
本格的な構造ながらサイズが小さく、ジュニア〜小柄な大人に最適。
女性におすすめ!サロモン初心者向けスノーボード板
続いては、特に女性におすすめしたいサロモンの初心者向けの板についてご紹介していきます。
SALOMON OH YEAH(オーイエー)
- 形状:ハイブリッドキャンバー(ツイン)
- 特徴:柔らかく、可愛いデザインと高い操作性が特徴です。
- 価格帯:約48,000〜58,000円
女性に大人気。軽量かつ可愛いデザインでテンションもUP!自分のお気に入りのデザインの板を見つけてみよう!
SALOMON LOTUS(ロータス)
- 形状:フラットロッカー
- 特徴:圧倒的な乗りやすさと安心感で、完全初心者の方でも安心して乗ることができるモデルです。
- 価格帯:約38,000〜48,000円
初めてスノーボードに挑戦する方にぴったり!安定感抜群で安心して初のスノーボードもチャレンジできます。
SALOMON WONDER(ワンダー)
- 形状:ハイブリッドキャンバー(ディレクショナルツイン)
- 特徴:中級者へのステップアップも見据えた万能モデル。脱初心者を目指している方にもおすすめです。
- 価格帯:約55,000〜65,000円
やさしい乗り味なのに、滑りの幅が広がる1本。中級者以上になっても使えるので、長く使いたい人におすすめです。
SALOMON GRACE(グレース)※ジュニア・小柄女性向け
- 形状:フラットロッカー
- 特徴:非常に軽く扱いやすい板なので、女性だけでなくジュニアにもおすすめできるモデルです。
- 価格帯:約35,000〜45,000円
体重が軽い方や中学生〜高校生の女子に人気です。
Q&A:サロモン初心者モデルに関するよくある質問
サロモンの初心者向けのスノーボード板についてよく受ける質問をまとめてみました!
サロモンの板はレンタルよりも購入すべき?
A. 確かに、スキー場のレンタルでもサロモンのモデルは採用されているので、レンタルで済ますかどうか迷いますよね。
ただ、上記でご紹介したサロモンの初心者モデルは価格も抑えめでコスパが良いので、2回(2日)以上滑る予定があるのであれば購入するのがおすすめです。自分の気に入ったデザインも選べるのでモチベーションアップにもつながりますよ。
レディースモデルとメンズモデルの違いは?
A. 男性だけど女性モデルを使いたい、もしくは女性だけど男性モデルを使いたい、というケースは時々ご相談を受けます。
板の基本構造は同じですが、板の柔らかさやグラフィック、サイズ展開が異なっていますし、女性モデルは体重・体格に合わせた設計になっていますので、女性の方が男性向けのモデルを使う場合は注意が必要です。
体力や筋力に自信がない、体重が軽め、という女性はできるだけ女性向けのモデルを購入することをおすすめします。
初めての板だから、できるだけ安く抑えたい。どうすればいい?
初めてスノーボードのギアをそろえるとなると、いろいろ買い揃えなければいけないので、できるだけ出費を抑えたいところですよね。その場合、型落ちモデルを選ぶという選択肢もあります。
ただ、毎回レンタルで借りることを考えると、自分の板を買うというだけでもかなりトータルの出費を抑えることができるので、長く使えそうなお気に入りのデザインを選んだり、中級者まで使えるモデルを選んだりするといいでしょう。
まとめ:迷ったら「PULSE」か「LOTUS」から選ぼう!
今回の記事では、スノーボードブランドとして超有名なサロモンの板についてたくさんご紹介してきました。
色々あって、結局どれを選べばいいかわからなかった・・!!という方は、
- 男性・ユニセックスには「PULSE」
- 女性には「LOTUS」
- 少し長く使いたい人には「SIGHT」や「WONDER」
と考えていただければいいでしょう!
サロモンの初心者向けの板は、どれも高い完成度を誇りますので、今回ご紹介したどれを選んでも失敗した、と思うことはないはずですが、迷ったら「PULSE」か「LOTUS」と考えておくとわかりやすいかもしれませんね。
私たちSamuraiSnowConciergeは、お勧めのサロモンの初心者向けのスノーボード板の情報はもちろん、そのほかのアイテム選びのコツや、スノーボードの滑りの技術などもご紹介しております。
もし、スノーボードに関してわからないことや疑問があれば、ぜひお気軽に私たち現役のA級インストラクターにご相談くださいね。
コメント