スノーボードが楽しくなってきたら、自分だけのマイボードが欲しくなってきますよね。
レンタルの板でもスノーボードはできるけど、やっぱり自分の板で滑ってみたい!という方も多いのではないでしょうか。
私も経験がありますが、やっぱり自分の板を買うとゲレンデに向かう原動力にもなりますし、「せっかく買ったから」と練習する意欲もわいてきます。結果的に、マイボードを買うとスノーボードの上達スピードが上がってくるのは間違いないでしょう。
そこで今回は、現役のA級インストラクターの私たちが、スノボ初心者が自分の板を選ぶ時のポイントや注意点を図解式でお伝えしていきますので、購入の際の検討材料にしてみてくださいね。
|
いきなりスポーツショップへGO!はやめましょう
「マイボードを買って今年はさらにスノーボードを上達させるぞー!!」
という意気込みは◎なのですが、いきなりスポーツショップへ向かうのはお勧めできません。
下調べをせずにショップの店員さん任せにしてしまうと、初心者には向かない板を勧められてしまう可能性があるからです。(ショップが売りたい板=初心者用の板、とは限らないのです)
スノボ初心者の方が上達するためには、どんな板でもいいわけではありません!初心者の方が扱いにくい板を選んでしまうとせっかくマイボードを買ったのに上達の妨げになってしまうリスクもあるんです。
しっかりと自分に合った板を選んでいただくために、次の章から選び方のポイントをまとめていきます。
スノボ初心者が板を選ぶときの6つのポイント
それでは早速、スノーボード初心者の方がマイボードを選ぶ時のポイントを6つにまとめていきますね。
長さ
一般的にスノーボードのお勧めの長さは【自分の身長 – 15cm前後】と言われています。板を垂直に置いたときに、板の先端部分が自分のアゴから鼻くらいの高さになっていることを目安にするとわかりやすいでしょう。
身長が高めの人なら【自分の身長―20cmくらい】、身長が低めの人なら【自分の身長―10cmくらい】と考えておくといいです。
あくまでもこれは平均的な基準の長さなので、目的別にカスタマイズしてください。
たとえば、スピードを出したときでも安定して滑りたい方は少し基準値より長めにすると板のブレが減りますし、グラトリなどのトリックを練習していきたい方は少し短めを選ぶと小回りがきくため技の練習がしやすくなります。
今後どういうスタイルを極めていきたいかという点も視野に入れると長くその板を楽しむことができますよ。
幅
幅は基本的にそこまでシビアに考える必要はありません。スノーボードの板のほとんどが本体の長さに合わせて幅が設定されているので、細かくサイズを選べないことがほとんどなのです。
自分の身長に合った長さの板を選んでいれば、だいたいのケースで幅も自分に合ったものになっています。
ただし、身長に対して極端に足が大きいもしくは小さい人などは幅も注意して選ぶことが大切です。一般的な幅のサイズはスノーボードの板の真ん中あたりの部分の幅が【ブーツのサイズ – 1cm】と言われています。
ブーツが大きすぎて板から飛び出してしまったり、ブーツの大きさに対して明らかに幅が広すぎたりする場合は、滑りにくくなってしまいます。
形状
長さと幅の次は形状で選んでいきましょう。スノーボードと一言で言ってもその形状はさまざまで、スノーボードのスタイルによって適した形状が変わってきます。
初心者のうちはまだ自分のスタイルが定まっていないことも多いと思いますが、参考程度に「こういうスタイルの時はこういう形状が合うんだな~」くらいに思っておいていただけたらと思います。
スノーボードの4つのスタイル
スノーボードのスタイルには大きく分けて4つのスタイルがあります。
☆カービングスタイル
雪面をしっかりとエッジングしてスピードを出して滑っていくスタイル。スノーボードの基本的な滑り方でとても奥が深い。
☆パークスタイル
ゲレンデ内に設置されているパークと呼ばれている場所で、キッカー(ジャンプ台)やレール、ボックスなどを楽しむスタイル。
☆バックカントリースタイル
ゲレンデではなく、人によって管理されていないエリアで、未圧雪のふわふわのパウダースノーを滑るスタイル。
☆グラトリスタイル
パークではなく通常のゲレンデのコースで回ったり跳んだり、トリックを極めるスタイル。
このようにスノーボードには4つのスタイルがあり、それぞれのスタイルに適した形状があります。
参考記事:スノーボードには4つのスタイルがある!憧れのスタイルに挑戦しよう
上から見たときの形状別
板の形状は上から見たときの形状と横から見たときの形状の2種類があります。まずは上から見た形状についてです。
上から見た形状は、前側のノーズと後ろ側のテールの長さ、ノーズとテールの形の違いで【ツインチップ】【ディレクショナル】【ディレクショナルツイン】の3種類に分類されます。
☆ツインチップ
ノーズとテールの長さが同じで、形も同じ形状なのがツインチップです。ツインチップは逆向きに滑るスイッチスタンスが滑りやすいため、グラトリやパークスタイルを極めたい方が好む形状です。
一方、ノーズが短めなため、パウダースノーはノーズが刺さりやすくなりますので、少々滑りにくいです。
☆ディレクショナル
ノーズの方がテールより長く、ノーズとテールの形も違っている形状がディレクショナルです。
テール寄りに乗っているのでノーズが上がりやすく、パウダースノーを気持ちよく滑ることができます。また、板の先端が沈まないため初心者の方も滑りやすい形状です。
ただ、テールが短いのでスイッチスタンスは滑りにくくなってしまいます。パークやグラトリを極めたい方にはあまりお勧めできません。
しばらくは基本の滑りを練習したいという初心者の方にはお勧めの形状になります。
☆ディレクショナルツイン
ツインチップとディレクショナルの良いとこどりをしているのがディレクショナルツインです。
ノーズの方がテールより長く設定されていますが、ノーズとテールの形は同じです。スイッチスタンスも滑りやすい上にノーズが長めなのでパウダースノーも滑りやすくなっています。
この板一本でどんなスタイルも極めていきたい!という方にお勧めの形状です。
横から見たときの形状別
続いては横から見たときの形状も見ていきましょう。
最近は横から見たときの形状の種類が多様化しすぎていて少々複雑になっているので、ここでは代表的な4つの種類の形状について解説していきます。
☆キャンバー
もっともオーソドックスな形状と言われているのがキャンバーです。ボードの中央部が雪面から浮いているので、荷重をかけるとしなって、高い反発を得ることができます。一般的なスノーボードの形状なので、迷ったらキャンバーを選んでおいて問題ないでしょう。
☆ロッカー
板の中央部分で雪面に接していて、ノーズとテールが浮き上がっている形状です。エッジが引っかかりにくく、回転しやすい形状です。
エッジが引っかかりにくいため、逆エッジになりにくいというメリットがあるものの、初心者のうちはくるくる回りすぎてしまうのでターンの練習はしにくいでしょう。
☆フラット
ボード全体がフラットで安定感はとてもいい形状です。雪に接している部分が多いためスピードを出した時の安定感は抜群ですが、初心者のうちはコントロールするのが少し難しいかもしれません。
☆ダブルキャンバー
板の中央部分がロッカーの形状で、両足の下に2つのキャンバー形状があるような形です。ロッカーとキャンバーの良いところを合わせた形状と言われています。
カービング、パウダー、フリースタイルなど、いろいろなスタイルに適しているので、これ1本でいろいろ楽しめるメリットがあり、近年とても人気が出ています。ただ、ロッカーとキャンバーの良いとこ取りをした分、キャンバーやロッカーのそれぞれの長所まで達しないという点も否めません。
いろいろ形状がありすぎてわからない!!!という方のために、ざっくりとそれぞれの特徴を表にしてまとめてみましたので、参考にしてみてくださいね。
ターン | 逆エッジ | オーリー | 扱いやすさ | |
キャンバー | ◎ | × | ◎ | 〇 |
ロッカー | × | ◎ | × | 〇 |
フラット | 〇 | △ | △ | △ |
Wキャンバー | ◎ | 〇 | 〇 | △ |
硬さ
続いては板の硬さです。
簡単に言ってしまえば、初心者のうちは柔らかめの板のほうが扱いやすいのでやわらかい板を購入されることをお勧めします。
知識として知っておいてもらいたいのは、スノーボードの硬さには2種類あるということです。1つは、板そのものの硬さと柔らかさを表現する「フレックス」で、もう1つは板のねじれの強さを表現する「トーション」です。
簡単なイメージとしては、フレックス・トーションが硬いと高速で使いやすく、フレックス・トーションが柔らかいと低速で使いやすいと認識しておきましょう。
そのため、初心者のうちはフレックス・トーションがやわらかい板を選んだほうが扱いやすくてお勧めです。
軽さ
板の選び方として、軽さも検討項目に入れておきましょう。
結論、初心者のうちは軽い板を選ぶことをお勧めします。
重い板は、スピードを出した時に安定感が増しますが、板が重い分、リフトなどで足が疲れやすくなってしまいますし、そもそも初心者の方にとっては取り回しが難しいと感じてしまうと思います。上級者になってくると重い板を好む方も増えてきますが、初心者のうちはコントロールしやすく、リフトに乗っていても足が疲れない軽い板を選びましょう。
ただ、その板が軽いかどうかはネット上ではなかなか表示されていないので、どの板が軽いのか、選ぼうとしている板は軽いのか、などわからないことが多いです。一番確実なのは、ある程度自宅で気になる板の目星をつけておいてから実際にショップに行って手に取って比べてみるのがいいでしょう。
デザイン性
最後はデザイン性です。
板のデザイン自体は、滑りやすいかどうかには関係してきませんが、個人的にはけっこうこだわってもいい項目なのではないかと思っています。(ここだけの話、私は初心者時代、デザインでしか板を選んでいませんでした・・・(笑))
板のデザイン性が大切な理由は、板のデザインが気に入っているかどうかで滑るときのテンションとモチベーションがめちゃめちゃ大きく変わってくるからです。また、板のデザインが気に入っていると、ワックスをかけるなどのメンテナンスも丁寧になってきます。
スノーボードの板は表面だけでなく裏面にもデザインが施されています!案外裏のデザインの方が目に付くので、私が選ぶ時は裏側のデザイン重視で選んでいます。
また、板のデザインや色合いをウエアと合うようにするとトータルコーディネートができて、よりおしゃれさがアップしますよ。
初心者ならノーブランドの激安3点セットでもOK?
よく、インターネットなどでスノーボード板・ブーツ・ビンディングの3点激安セットが売られていますよね。
「初めて買う板だし、こういう3点セットでもいいですか?」という質問を時々いただきますが、個人的にはあまりお勧めしません。
「今後、2,3回しかスノーボードに行かない!」
「上達しなくてもいいかな」
という方はこれでも問題ないのですが、今後何回も行く方や、上達をしたいと考えている方は、結局ちゃんとしたブランドの板やブーツが欲しくなってくると思いますので、二度手間になってしまうことがほとんどだからです。
また、激安とはいっても1000円で買えるわけではありませんので、結果的にお金ももったいないことになってしまいます。
「グラトリをやってみたい!」
「カービングターンをしてみたい!」
「パウダーを滑ってみたい!」
という方はやはりしっかりと選ぶポイントを把握したうえでブランドの板を買うべきでしょう。
どのブランドのどの種類の板がお勧めなのかについては、こちらの【スノボ初心者にも扱いやすいお勧めのスノーボードブランドと板】の記事で詳しく紹介しています。
スノーボードの板を買ったら盗難対策も視野に入れて!
自分だけのマイボードを買ったら、盗難対策のためにケーブルロックも購入しておくことがお勧めです。悲しい世の中ですが、ランチやトイレ休憩中に板が盗まれてしまうという被害をよく耳にします。
せっかく新しいマイボードを買ったのに盗まれてしまったら悲しすぎます。スノーボード用のケーブルロックは1000円くらいで売っていますので、念のために購入しておきましょう。
ケーブルロックの盗難対策以外にも、スノーボードの板にステッカーを貼るというのも有効です。盗難者は盗んだ板をネットなどで売っていますが、貼ってあるステッカーをはがして綺麗にしてから出品するのはけっこう手間なので、ステッカーが貼ってある板は狙われにくくなります。
自分の好きなブランドのステッカーなどを貼っておくと気分も上がって一石二鳥ですよ。
まとめ
スノーボードが楽しくなってきたら、ぜひともご自身だけのマイボードを買ってみてください。自分の板で滑るというだけでもとても気分がいいですし、自分のやりたいことに合っている板を選ぶことで上達スピードも爆速になるでしょう。
もし、「どの板を選べばいいかわからない」「自分のスキルに合っている板はどれ?」「板を新しくしたからもっと上達したい」など、板選びやスノーボードスキルなどでわからないことがあればぜひ私たちにお気軽にお問い合わせてみてくださいね。
コメント