スノボ初心者の方も、ある程度滑れるようになってくると、スノーボードのアイテムにこだわりたくなってきますよね。
中でもブーツ選びはスノーボードのギア選びの中でも特に重要で、自分の足にしっかりとフィットするものを選ばないと、足の力が板に伝わらなくなってしまいコントロールが難しくなってしまいます。
結果、
・ターンの練習がしにくくなったり
・上達が妨げられてしまったり
・最悪の場合足をケガしてしまったり…。
安全に楽しく上達するためにも、スノーボードブーツの選び方は超重要なのです。
結論から言うと、スノボ初心者の方にお勧めのブーツは【軽い】【やわらかい】【装着が簡単】がキーワードになります。ただ、これだけだとどれを選べばいいかわからないですよね(笑)
そこで今回は、現役のA級インストラクターの私たちが、スノーボードブーツを選ぶ時のポイントや、実際に試着した時にチェックすべき項目について詳しく解説していきます。合わせて、スノーボード初心者の方にお勧めのブーツブランドやモデルについてもご紹介していきますので、ブーツ選びの参考にしてくださいね。
初心者が知っておきたい|スノボブーツの種類3種
スノーボードブーツは締め方によって大きく3種類に分かれています。どの種類が自分に合っているかは、好みにもよりますが、初心者のうちは「ブーツを締めるのが簡単で楽」という点にポイントを置いておくといいでしょう。
ヒモタイプ
昔からある定番のヒモタイプのブーツです。文字通りヒモでブーツを締めるタイプで、運動靴などと同じ要領で締めていきます。
メリット:構造がシンプル。自分の好きなきつさで調整できる。しっかり締めればフィット感が増す。
デメリット:脱着に時間がかかる。力がないとしっかり締められない。女性や子供には締めるのが大変かも?
ボアタイプ
ダイヤルを締めるだけでワイヤーが閉まっていくタイプのブーツで締めるのがかなり楽に感じるでしょう。最近では、一番使っている人が多いように感じますし、レンタルショップもボアタイプを導入しているところが多いです。
メリット:ダイヤルを回すだけで締まっていくのでとにかく簡単!力もいらないので女性や子供にもお勧め。脱ぐときもダイヤルを引くだけで緩むので脱着に手間がかからない。
デメリット:部分的な締め具合の調整ができない(足首だけ緩いと感じてもそこだけ締めることができないなど)。ヒモタイプと比べると壊れやすい。使う頻度が多いとブーツの上の部分がワイヤーで擦れて破れてしまうことも。
クイックレースタイプ
ブーツの横側についているヒモを引っ張ると閉まっていくタイプのブーツです。ボアよりもフィット感が増し、ヒモタイプより装着が簡単という2つのタイプの良いとこ取りをしたようなタイプです。
メリット:横についているヒモで締めていくのでしっかりとフィット感がある。ヒモを引くだけで締まっていくので脱着が簡単。女性にもお勧め。
デメリット:ヒモを引く方向が間違っていると全然締まっていかない。ストッパーをしっかりかけておかないとすぐに緩んでしまう。
初心者の方は脱着方法がわかりやすくて簡単なタイプのブーツを選ぶことをお勧めします。ボアタイプかクイックレースタイプがお勧めです!
スノボ初心者がスノーボードブーツを選ぶときのポイント
ここからは、具体的にどのような点に注目してスノーボードブーツを選んでいけばいいか、着目ポイントをまとめていきます。
硬さ
少し専門的な言葉になりますが、スノーボードブーツの硬さはフレックスという言葉で表現されます。フレックスの数字があらわす硬さ度合いは、メーカーによって多少変わりますが、一般的には、数字の低い方が柔らかく、1〜5までの5段階で表記されます。
初心者の方はとにかくやわらかいブーツがお勧めですので、メーカーのフレックス表示が1か2のものを選ぶといいでしょう。
ブーツがやわらかいほうが疲れにくいですし、足が痛くなって集中できなくなるというリスクも減らせます。また、やわらかいブーツのほうが板を扱いやすいので、ターンの練習もしやすいでしょう。
スピードを出してターンできるようになってきたら、フレックス3以上のやや硬めのブーツに移行していってもいいですね。
履きやすさ
履きやすさは実際にショップに行って履いてみなければわかりませんが、履きやすいかどうかも重要な項目です。
ブーツになかなか足が入らないと履くだけで疲れてしまいますので、すんなりと足が入るものにしましょう。
履いた時のフィット感
ブーツは自分の足にしっかりとフィットしているかどうかも重要です。実際にブーツ履いたとき、つま先や足の甲の上に隙間があまりないものを選んでください。
あまりにもキツキツなのもよくありませんが、隙間がありすぎるとフィットせずに板のコントロールが難しくなってしまいます。
つま先に隙間があると、エッジをかける時うまくフィットせず、ターンをしにくくなりますし、靴擦れの原因にもなってしまいますので、自分の足にフィットしているかどうかをしっかりと見極めましょう。
フィットしているかどうかのチェック項目は
・つま先が痛くないかor隙間がありすぎないか
・足の甲が痛くないかor隙間がありすぎないか
・かかとは浮かないか
・ブーツの横幅が狭くないか
・実際に歩いてみて違和感がないか
・ジャンプできるか
などを確認してみると自分に合ったブーツかどうか判断できます。
フィット感はブーツ選びのポイントでも最重要項目と言えます。
昔、フィットしていないブーツを履き続けて爪が青く変色してしまったことも・・・。皆さんも気を付けて選んでくださいね。
締め方の種類
締め方の種類は先ほどお伝えしたように3種類があります。スノボ初心者の方への個人的なお勧めは、ボアタイプかクイックレースタイプですが、締め方は個人個人で好みがありますので、実際にショップに行って自分で締めてみることが一番です。
「簡単」で「楽」で「わかりやすい」かどうかを重視して選んでみましょう。
あらた:ショップで実際に締めてみて「締め方がわかりにくい」「難しい」と少しでも感じたものはやめたほうがいいでしょう。
重さ
ブーツの重さも様々ありますが、初心者の方には軽いブーツがお勧めです。軽いブーツは持ち運びも楽ですし、歩いていても疲れにくく、リフトに乗っているときも足が疲れにくいというメリットがあります。
デメリットとしては少々防寒性に欠けるという点がありますが、初心者のうちはあまり気にしなくていいと思います。なぜなら、初心者のときはターンの練習に必死になっているのでむしろ暑いくらいだからです(笑)
重いブーツは足への負担はありますが、防寒性能に優れますし、板へのレスポンスが強くなるので中級者以上の方は検討してみてもいいと思います。
ビンディングとの相性
スノーボードブーツ選びにおいて、ビンディングとの相性もけっこう大切です。ビンディングはブーツを板に固定するためのものですが、すべてのビンディングがすべてのブーツとマッチするかというとそうではありません。
ビンディングに対してブーツが大きいと、かかとがしっかり入らずフィットしなかったり、ストラップが短くて止めることができなかったり、となってしまい、「せっかく買ったのに滑りに行けない」という悲劇が起こりえます。
自分が持っているビンディングとブーツがフィットするかどうかは事前にしっかりと確認しておきましょう。
なお、ビンディングの選び方やお勧めモデルについてはこちらの【現役イントラ厳選|スノーボードビンディングのお勧めブランドと選び方】の記事にまとめてありますので、よろしければこちらも参考にしてみてください。
インナーブーツの脱着のしやすさ
スノーボードブーツは二重の構造になっていて、中にインナーブーツというものが入っています。
インナーブーツは足のフィット感を高める重要な要素なのですが、滑り終わった後にインナーブーツを取り外して乾燥させるというお手入れがけっこう重要になります。
そのため、インナーブーツの取り外しが簡単にできるかどうかも選ぶ時のポイントと言えます。
店員さんのお勧めを鵜呑みにしないほうがいいことも…
多くの方がスノーボードブーツを買おうとする際、スポーツショップなどのお店に行って選ぶと思いますが、ショップに行くと店員さんに「硬いブーツほうが上達が早いですよ」「硬い方が滑っているときに安定しますよ」などといわれ、硬いブーツを勧められることも多いようです。
確かに、上達して早く滑れるようになるとやわらかいブーツだと安定しないと感じてしまうと思いますが、そもそも初心者の方がいきなり硬いブーツにすると痛くて練習どころではなくなり上達ができないというリスクも出てきてしまいます。
上達のしやすさも、硬めのほうが確かに上達しやすいという一面もありますが、「スノーボードを上達させて来年には大会に出るんだ」という方と「ひとまずスノーボードを楽しくラクに滑れるようになりたい」という方とでは選ぶべきブーツも変わってきます。
スノーボードをするモチベーションや目的も含め、自分に合ったブーツをしっかりと吟味して選んでいただけたらと思います。
初心者にお勧めのスノーボードブーツブランドとモデル
スノーボードブーツの選び方を確認したところで、早速、スノボ初心者の方にお勧めのブランドとモデルをご紹介していきます。
サロモン(SALOMON)
サロモンは、フランス発のオールマウンテンブランドで、スノーボードなどウィンタースポーツだけでなく夏のアウトドアも展開しています。
サロモンは独自のレーシングシステムを開発していて、ブーツの締め具合が調節しやすくなっているため、「複雑なのは嫌だけど、ブーツはしっかりと締めたい」という方にお勧めのブーツブランドです。日本人向けに設計されたモデルも数多く扱っています。
サロモン LAUNCH
サロモンのLAUNCHは特に男性にお勧めのモデルです。
ミディアムフレックスで軽くて適度にやわらかく、フィット感、耐久性に優れています。さらにコスパも最高なのがうれしいところですね。
LAUNCHの一番の特徴としては、通常のヒモの部分とは別に足首を独立して固定することができる機能を加えている点でしょう。インナーの足首をぐるりと回るようにして配置されたストラップがかかとが浮いてしまうのを防いでくれます。
かかとはしっかりと固定されているのに、外側のヒモ部分で締め方を調整できるので、「緩やかな締まり具合なのにしっかりと固定されている」という感覚を味わえます。
サロモン FACTION
こちらのモデルは軽くてやわらかいソフトフレックスになっていて、初心者の足元をしっかりとサポートしてくれます。
超薄型で軽量化されているにもかかわらず、耐久性に優れたアウトソールによって、足元をしっかりとホールドしているのも魅力的なポイントです。
軽量化と衝撃吸収が両立されているのでフィット感がありクイックな反応に対応してくれます。「これから長くスノーボードを楽しみたい」という方にお勧めのモデルです。
サロモン IVY
こちらはレディースモデルのブーツです。ポップなデザインがおしゃれですし、簡単に履くことができるのも魅力の1つでしょう。
女性向けのフィット感とかかと部分のホールド感を重視して作られていて、つま先から小指に続いている縫い目が、足当たりの良い快適な履き心地を実現しています。
履くのは簡単なのが良いけど、しっかりとホールドしてほしいという女性の方にお勧めのモデルです。
バートン(BURTON)
バートンはスノーボードギア総合世界シェアNo.1を誇る老舗のブランドで、ブーツ以外にも板やビンディング、アパレルなど幅広く展開しています。
バートンは取り扱うモデルのクオリティが高いうえに、スタイリッシュなデザインが多く、オシャレにスノーボードを楽しみたい方にもお勧めな人気が高いブランドです。
中級者・上級者用のモデルはもちろんですが、初心者の方にもお勧めのモデルもたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。
バートン MOTO
バートンの初心者向けのブーツとしてお勧めなのがMOTOです。こちらのモデルはかなりやわらかいため、初心者の方にも扱いやすく、ブーツの型にクセがないので誰の足にもフィットしやすいという特徴があります。
また、 バートンのブーツ特有のホールド感もばっちりですし、ソフトブーツながら足裏がしっかりしているので板にしっかりとコントロールを伝えてくれます。
大手ブランドなので、アマゾンやメルカリなどでも手に入りやすいのも魅力ですね。
バートン RULER
こちらのモデルは主に足幅の広い男性にお勧めのモデルです。
ミドルフレックスなので柔らかすぎず、しっかりと板に力を伝えることができますし、フィット感やクッション性にも優れますので長時間滑っていても疲れにくいです。
グラトリを極めたいと思っている中級者以上の方にも人気の高いモデルです。
バートン Mint
バートンのミントは女性向けのモデルです。ミントはバートンの中では一番下位のモデルになりますので低価格で手に入れられるというメリットがあります。
かなり柔らかいブーツなので、女性にも扱いやすく、これからスノーボードを始めようと思っている方やレンタルブーツは嫌だけどあまりブーツにお金はかけられないという方にお勧めです。
ディーラックス(DEELUX)
「スノーボードブーツはディーラックスしか履きません」というスノーボーダーもいるくらい、スノーボードブーツ専門のブランドとして、高い人気を誇っているのがディーラックスです。
ディーラックスは自分専用のインナーブーツを作れる「サーモインナー」という技術が一番の魅力でしょう。専用のオーブンを使用して足形を合わせる熟成型のインナーなので、抜群のフィット感があり、幅広いスタイルのスノーボーダーたちから高い人気があります。
ディーラックス ID
IDはディーラックスの中でもベストセラーのモデルです。IDはとにかく柔らかいので初心者の方にも扱いやすいですし、柔らかいのに板へのレスポンスもいいためグラトリスタイルのスノーボーダーにも人気が高いです。
柔らかいブーツは板への反応が悪いというのがスノーボードブーツでの常識のようなものですが、ディーラックスのIDの場合、パワーベルトという部分がついていて、そこを調整することでフレックスの調整ができます。
足首のホールド感もしっかりしているので、柔らかいのに頼れるブーツというのを実現しています。
ディーラックス ID LALA
ディーラックスの中で女性にお勧めしたいのがID LALAというモデルです。これは、先ほど紹介した大人気モデルのIDをベースにしています。
IDの驚異的な軽さと柔らかさをキープし、足首だけをしっかりホールドできる上に全体のホールド感をシチュエーションに合わせて細かくセッティングできる機能を搭載しています。
衝撃吸収にも優れていて、サーモブロックにより保温性も高くなっているのも魅力的です。
少々お値段は張りますが、「スノーボードを本気で楽しみたい」と思っている方にぜひお勧めしたいモデルです。
初心者必見|ブーツと一緒に入手しておきたいアイテム
自分だけのマイブーツを手に入れたら、ブーツの良さを最大限に生かすために他の便利アイテムも手に入れておくことがお勧めです。
乾燥剤
これは必ず用意しておいた方がいいアイテムです。スノーボードは冬に雪の上でやるスポーツですが、案外ブーツの中は汗で蒸れてしまいます。
ブーツが濡れている状態で放っておくとカビがはえて臭くなってしまいます。そうなる前に乾燥剤をいれ湿気を吸収しておきましょう。
なお、ブーツを乾燥させるときは中のインナーブーツを外した状態で乾燥剤を入れておくとより効果的に湿気をとれますよ。
ブーツケース
ブーツケースもあると便利なアイテムです。
雪の上を歩く分にはあまり汚れませんが、レストランに入ったりトイレに行ったりするときもブーツを履いたままなので案外ブーツの底は汚れてしまいます。特に春先の雪は土がついていることもあるので板やウエアがドロドロになってしまうことも…。
ブーツをそのままの状態でボードケースなどに入れると他のものが汚れますので、ブーツケースがあると結構便利ですよ。
スノーボード用ソックス
スノーボードをする際、普通の靴下でもできなくはないですが、個人的には専用のスノーボードソックスを使用することをお勧めしています。
スノーボードソックスは厚みがありますのでブーツの中で足が動いてしまうのを防いでくれますし、クッション性が高まって衝撃吸収も期待できます。
なお、ブーツ選びで試着する際も、滑るときに履く予定のスノーボードソックスを履いた状態でブーツを試着しましょう。
インソール
インソールは必ず必要というものではないですが、インソールをかえることでフィット感が変わり、滑りが劇的に変わる方もいます。
また、インソールを使用することで、足の疲労を軽減してくれたり衝撃を吸収してくれたり足の保温効果を高めてくれたりという効果も期待できます。
初心者はブーツにお金をかけたくない!?スノボブーツを安く手に入れる方法
スノーボード初心者の方がゼロからスノーボードアイテムを揃えるとなると、板、ビンディング、ブーツ、ゴーグル、ヘルメット・・・などなど、かなりお金がかかってしまいますよね。
「板とビンディングでけっこうお金を使っちゃったからブーツにはあまりお金をかけたくない!」という方は多いと思います。
スノーボードブーツの値段はピンキリですが、初心者の方であれば余裕があれば5万円、なければ3万円程度で考えておけばいいと思います。(もっと安く手に入れる方法もあります)
板やビンディングなど他にもいろいろお金がかかると思いますので、できるだけコスパ重視で行きましょう!
スノーボードブーツを安く手に入れる方法としては
・アマゾンや楽天などのネットショップで買う
・シーズンアウト後のタイミングで買う
・シーズン前の型落ちを買う
・メルカリやリサイクルショップで中古品を買う
があります。
新品にこだわらない、中古品でも気にしない、という方はメルカリなどで購入するのが一番安く抑えられます。メルカリに出品している人の中には1回しか使っていないという人もちらほらいますので、そういう掘り出し物を見つけるのもアリだと思います。
ネットショップは試着できないというデメリットがありますが、「絶対にこのモデルを買うんだ」と決まっている人はネットショップでも問題ないでしょう。
関連記事:スノボ初心者の板選び|現役イントラが選ぶお勧めスノーボードブランド5選
まとめ
今回は、スノボ初心者の方に向けて、ブーツ選びのポイントやお勧めのモデルについてご紹介してきました。
自分の足にしっかりフィットするスノーボードブーツを見つけると滑りも画期的に変わってきます。ぜひ今回の記事を参考に自分に合ったブーツを探してみてくださいね。
「このブーツを迷っているけど実際どうなの?」「まったくの初心者だからブーツを買っても滑れるか不安」という方は、現役インストラクターの私たちが丁寧に回答しますので、お気軽にご相談ください。
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