「サイドスリップや木の葉滑りはできるけどターンができない」
「ずっとターンの練習をしているけどなかなか上達しない」
スノボ初心者の方なら誰でもこのような悩みにぶつかったことがあると思います。
サイドスリップや木の葉滑りはなんとかできるようになっても、ターンの練習段階で壁にぶつかることはよくあることです。正しい手順とやり方で練習していかないと、いくら滑っても連続ターンはできるようになりません。
でも、せっかくなら連続ターンをマスターして、もっともっとスノーボードを楽しみたいですよね。
そこで今回は、私たち現役のA級インストラクターが、スノボ初心者の方が連続ターンをマスターするためのステップを4つにまとめて解説していきます。
独学で何度も練習しているけどなかなかターンができない!という方は一度レッスンを受けてみてプロからアドバイスをもらうのも上達のコツですよ!
スノボ初心者がターンを練習する上でのポイント
スノボ初心者がケガなく安全にターンの練習をするために、以下のポイントを押さえて練習してみてください。
できるだけやわらかい雪質の場所を選ぶ
連続ターンの練習をする際、転ぶことは避けられません。一度も転ばずにターンができるようになったという人を聞いたことがありません。そんな人はおそらく存在しないでしょう。
ターンをマスターするうえで転ぶことは避けられないため、できるだけ転んでも痛くないところで練習するのがポイントです。
アイスバーンなどカチカチの固い雪のところで転んでしまうと、ケガをしやすくなってしまうだけでなく、超絶痛いのでかなりメンタルが削られます。そして転ぶことへの恐怖感が植え付けられ、ターンの練習がスムーズにいかなくなってしまうのです。最悪の場合、「一生木の葉滑りでいい!(´;ω;`)」と思ってしまうかもしれません。
逆にやわらかい雪であれば、転んでもあまり痛くありません。恐怖心が出ないため、積極的に練習をすることができ、結果上達も早くなります。
なので、ターン練習中の初心者のうちは、雪質がやわらかいスキー場を選び、かつシーズンも1月2月など雪質がよりいい時期を狙うのがお勧めです。
ちなみに、北海道のルスツやニセコならふかふかの雪の上で練習することができますよ。
関連記事:北海道はパウダー天国!パウダースノーが楽しめるスキー場と楽しみ方コツ
怖いと感じにくい程度の斜度で練習する
ある程度木の葉滑りができるようになってくると、中級者以上のコースでも木の葉で滑り降りられるようになっているでしょう。
ただ、ターンの練習をするとなれば、必ず斜度が緩い初心者コースに戻ってくることが大切です。
斜度があると、ターンの練習の時にスピードが出すぎてしまって腰が引けてしまいます。スノーボードの基本姿勢ができていない状態でターンの練習をしてもほぼ確実にターンすることができません。上達できないところか、変な癖がついてしまって後々苦労することになりますので、きちんと基本姿勢が取れるような怖いと感じない斜度でターンの練習をするようにしてくださいね。
基本姿勢は
・板の上にまっすぐに立つ
・頭を下げない
・お尻を出さない
・両目の位置を平衡に保つ
・膝を少し曲げる
という姿勢でしたね^^
参考記事:スノボ初心者が滑れるようになるための練習7ステップ
スノボ初心者がターンをするための前準備
スノボ初心者がターンをマスターするためには、いきなりターンから始めるのではなく、事前の練習が重要になります。
具体的には
・安全な転び方を覚える
・基本姿勢を覚える
・ワンフットを練習する
・リフトの乗り降りを覚える
・かかと側のサイドスリップを練習する
・かかと側の木の葉を練習する
・板を縦にして直滑降で滑る
・つま先側のサイドスリップを練習する
という内容をマスターしておくことが必要です。
「ここまでの項目はばっちりOK!」という方はこのまま読み進めて行ってください。もし、何か一つでも不安要素がある場合は、こちらの【まずは木の葉滑り!スノボ初心者がゲレンデを楽しく滑るためのステップ】の記事で基本からおさらいしてみてくださいね。
いよいよターンの練習!
基本の確認ができたところで、いよいよターンの練習に入っていきます。
(※今回はレギュラースタンスで解説していきます。レッスンの際はもちろんグーフィーの方はグーフィー向けにレッスンしていきますのでご安心ください。)
基本的なことの確認になりますが、スノーボードのターンはかかと側のエッジとつま先側のエッジを交互に使いながら滑り降りてくることです。なめらかなS字を描くように滑り降りるのが理想です。
連続ターンはかかと側のエッジからつま先側のエッジに切り替え、その後再びつま先側のエッジからかかと側のエッジにスムーズに切り替えていくように滑りますが、いきなりこれを全部できるようになるのはハードルが高いです。
そのため、ターンを切り分けて考え、それぞれを練習して最終的につなげていくようにします。
ターンはこのように大きく分けて2つのターンから構成されています。
最初からこのようになめらかにターンするのは不可能なので、以下のようにいびつな形のJ型のターンから練習していきます。
かかと側もつま先側も直滑降からのターンを実践していきましょう。
ステップ1:かかと側のJターン
早速、切り分けた状態のかかと側のターンから練習していきましょう。
まっすぐに滑って左に曲がっていくターンです。見た目がJに似ているのでJターンとも呼ばれています。
板のノーズを下に向けて板をまっすぐにして滑り出し、左足から右足と順番にハイバックにもたれかかり、左にターンしていきましょう。まっすぐ立つ基本姿勢を保つことと、行きたい方向(この場合は左の方向)に目線を向ければ自然に曲がっていきます。
ボードが真横を向けばスピードが落ちて自然に止まれますよ。
初心者さんのためのコツ
スノーボードに限ったことではありませんが、スポーツにおいて視線はかなり重要な役割を果たしています。それは初心者に限らず、上級者になっても同じです。
そのため、ターンの練習の時は視線を意識しましょう。「行きたい方向を見る」です。
かかと側のJターンのときも、視線を行きたい方向である左に向けると顔の動きに引っ張られて、上半身がわずかに左にねじれます。すると下半身もそれにつられて板が左へ向こうとし、結果かかと側のJターンが完成するというわけです。
目線、つまり顔の動きが上半身に伝わり、その動きが下半身に追従して、最終的に板に伝わるということです。
また、進行方向を見ることで、頭が上がるので基本姿勢を取りやすくなり、結果バランスもとりやすくなりますので一石二鳥ですね。
ステップ2:つま先側のサイドスリップ
続いては、つま先側に回る右側のターンをやっていきたいのですが、多くの初心者の方はつま先側のターンを苦手としてしまいます。斜面に対して後ろ向きになるわけですから、怖くて当然ですよね。
ただ、恐怖心を持ったままだとターンの練習がなかなかうまくいかないので、まずはつま先側のサイドスリップを練習していきます。
つま先側のサイドスリップは、斜面に対して四つん這いのところからスタートします。
最初は手をつきながら雪を押し出し、雑巾がけを逆走するようなイメージで滑っていきます。慣れてきたら頭を上げてバランスをとって滑ってみましょう。後ろ向きに滑っていくので最初は恐怖心が出てきてしまうと思います。そのため、転んでも怖くなさそうな緩やかな斜面で練習するといいですよ。
初心者さんのためのコツ
つま先側のサイドスリップで重要なポイントは、
・ブーツの前側に軽くもたれかかるようにする
・目線は遠くを見る
・お尻をきゅっとしめる
・胸を張る
を意識することです。
お尻が出てしまったり、頭が下がってしまったり、猫背になってしまったりすると、かかと側のエッジが引っかかってしまい、後ろ向きに転んでしまういわゆる逆エッジ状態になりますので、姿勢はしっかりと意識しましょう。
スノボ初心者の方にとって、つま先側のサイドスリップの練習が最初の難関になりますので、レッスンでは必ずインストラクターがしっかりと手をもって転ばないようにフォローしながら進めていきますので、一人では不安、怖い、という方は、無理せずレッスンを活用することをお勧めします。
ステップ3:つま先側のJターン
かかと側のJターンができ、つま先側のサイドスリップができるようになったらつま先側のJターンで右に曲がるターンの練習をしていきます。
つま先側のサイドスリップ同様、9割以上の方がつま先側のターンでつまずいてしまうでしょう。逆に言えば、誰もが難しいと感じるため、最初はできなくてもまったく気にしなくて大丈夫です。
練習方法としては、かかと側のターンと途中までは同じで、まず、板を横向きからまっすぐにして直滑降の状態にします。
板がまっすぐに向いたら、ゆっくりと左足から右足の順番でブーツの前側にもたれかかっていきます。すると板が回ってきて、先ほど練習したつま先側のサイドスリップのときと同じような状態になります。ここまでこれば、つま先側のJターンの完成です。
初心者さんのためのコツ
つま先側のターンを練習するのはほとんどの人が怖いと感じてしまいます。そのため、早くターンしなければと焦ってしまい、まだスピードに乗っていない段階から右に曲がろうとして転んでしまうケースがとても多いです。
まずはしっかりと板を縦に向けて直滑降で滑ることを意識しましょう。
つま先側のJターンのポイントは
・焦らずまずは板を縦に向けて直滑降にする
・直滑降になったら落ち着いて順番に左、右でブーツの前側にもたれかかる
・板が曲がってきたらつま先側の基本姿勢をキープする
です。
それでもなかなか恐怖心が抜けずにターンがうまくいかないときは、1ステップ戻ってつま先側のサイドスリップの練習をもう少ししてみましょう。つま先側のサイドスリップに慣れてこれば、基本姿勢がわかってきてターンがスムーズになってきます。
ステップ4:いよいよ!連続ターン
ここまでマスターできれば、連続ターン習得はもう目前です!
連続ターンは今までのかかと側のJターンとつま先側のJターンをつなげるだけです。それぞれのJターンが終わったら板をまっすぐに向けて次のJターンをする、の繰り返しです。
かかと側のエッジで立っているところからスタートする場合は、まず板をまっすぐに向けてつま先側に曲がっていき、完全に板が横になるまで曲がれたら、次は左側の板の先端をもう一度下に向けてまっすぐにしてかかと側のターンをする、を繰り返していく感じです。
それぞれのターンができたあと、行きたい方向(斜面の下のほう)を見るようにすれば、自然に板が斜面の下に向かって進んでいきますので次のターンにつなげることができます。
連続ターンをマスターするためのコツの一つは視線です。行きたいほうを見れば、自然とそちらに板が進んでくれますので、ターンができるようになっていきます。逆に視線が止まってしまうと板も止まってしまいターンがなかなかスムーズにできなくなってしまいます。
また、リラックスしながらターンの練習をするというのもとても重要です。体が力んでいると、うまく力が板に伝わらず板が回ってこないのです。板をまっすぐに向けても怖いと感じず、リラックスして板の上に立てるような斜度で練習するのが大切ですね。
連続ターンができるようになると、本当にもっともっとスノーボードが楽しくなっていきますよ!
初心者さんのためのコツ
連続ターンにおいて、焦りは禁物です。ひとつのターンが終わって、次のターンに移るまでの「間(ま)」をしっかりとることがターン習得のカギです。
焦って次のターンをすぐに仕掛けるのではなく、まずは板が下向きになり直滑降の状態になるまで待つ、というイメージでやってみましょう。
最初は、板が下を向いて直滑降になるのが怖くて待っていられずにすぐに次のターンをしがちですが、無理やり板を回そうとすると、スピードが足りなさ過ぎてバランスを崩してしまいます。
直滑降になっても怖くない緩めの斜面で練習を続けてみましょう。リラックスリラックス!
まとめ|スノボ初心者の方がターンをマスターするならレッスンがお勧め
スノボ初心者の方にとって、ターンをするのは最初かなり難しく感じられるでしょう。初心者だと、どこの斜面が練習に適しているのかもよくわからず危険な斜面で練習してしまうこともよくあります。
そのため、ターンを安全かつ最速でマスターしたいのであれば、レッスンを受けるのが断然お勧めです。
レッスンでは、生徒さんのレベルに合わせて最適な斜面で練習することができますし、ターンの練習も恐怖心が芽生えないようにインストラクターが支えながらフォローしてくれますので、無駄に恐怖を感じずに積極的に練習することができます。
うまくいかなかったときの原因もすぐに教えてもらえますので、間違った方法で練習を続けて変な癖がついてしまうという心配もありません。
「安全にケガなくターンの練習がしたい」「最速でターンをマスターしたい」「我流は限界がある」と感じている方は、ぜひ初心者レッスンを検討してみてくださいね。
レッスンについて、ターンの練習方法について、わからないことがあればお気軽に私たちインストラクターにご質問ください。
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