これから初めてスノーボードに行くという初心者の皆さん!
「滑れなかったらどうしよう」「転びすぎて嫌になったらどうしよう」
こんな不安を抱えていませんか?
確かに、せっかくスノーボードをしに行ったのに全然滑れなかったら楽しくないですし、ただただ寒いだけになってしまいます。万が一ケガなんかしたら旅行が台無しになってしまいますよね。
でも大丈夫です!ポイントさえ押さえておけば、初心者の方も安全に楽しくスノーボードをすることができますよ。
今回は、スノーボード初心者の方が安全に練習するために知っておいてほしいポイントや、楽しく滑れるようになるための練習ステップ、スノボ初心者あるあるの悩みについて、現役のA級インストラクターが詳しく解説していきます。
スノーボード初心者でも、正しく練習していけば1日である程度滑れるようになりますよ!滑れるようになればスノーボードがもっともっと楽しくなります!
スノボ初心者が安全に練習するためのポイント
スノーボードに限ったことではありませんが、スポーツは正しい方法で練習しなければケガにつながってしまいます。
ケガなく安全にスノーボードを楽しんでもらうために、安全に練習するためのポイントについて最初にお伝えしておきます。
初心者用の道具を使う
スノーボードがまったくの初めてという方は、おそらくレンタルのスノーボードを借りて練習すると思います。レンタルショップで借りるのであれば、初心者用の板を貸し出してくれるはずですので問題ありません。
注意しなければならないのが、友人などに道具を借りてスノーボードに行くときです。私たちがレッスンをしていても、時々「友達から借りてきました」という方がいらっしゃいます。借りる分にはいいのですが、その友達がかなり上級者だったりすると板も上級者用のもので初心者にはかなり扱いにくいというケースがちらほらあります。
初級者用の板というのは、やわらかめで身長に対して短めの板のことです。また、形状は角ばって四角くなっているようなカービング用の板や、先端がとがっているパウダー用の板ではなく、いわゆるオーソドックスな形状のものが初心者の方には向いています。
上級者用の板を初心者の方が使うと、なかなか上達しにくくなってしまう上にケガのリスクも高くなります。道具は必ず初心者用のもので練習するようにしてください。
雪質がやわらかいところで練習する
スノーボードの練習をするにあたって、転ぶことは避けられません。一度も転ばずにスノーボードがうまくなったという人はおそらく存在しないでしょう。
ただ、やわらかい雪質のところで転ぶのか、カチカチのアイスバーンで転ぶのかでは話が全く違います。
アイスバーンなどカチカチの固い雪で転んでしまうと、ケガをしやすくなってしまうだけでなく、超絶痛いのでかなりメンタルが削られます。そして転ぶことへの恐怖感が植え付けられ、練習がスムーズにいかなくなってしまうのです。
逆にやわらかい雪であれば、転んでもあまり痛くありません。恐怖心が出ないため、積極的に練習をすることができ、結果上達も早くなります。
なので、初心者のうちは、雪質がやわらかいスキー場を選び、かつシーズンも1月2月など雪質がよりいい時期を狙うのがお勧めです。
関連記事:北海道はパウダー天国!パウダースノーが楽しめるスキー場と楽しみ方コツ
初心者コースで練習する
スノボ初心者の友人同士でスノーボードに行くと、いきなり上級者コースのてっぺんまで行き「気合で滑り降りるぞーー!」となりがちですが、危険ですので絶対にやめましょう。
いきなり上級者コースを気合で滑ることはできませんし、転びまくって一ミリも上達せずに恐怖心だけ抱えて下山することになります。
必ず、斜度が緩い初心者コースで練習するようにしてください。ただ、初心者コースとはいってもコースによっては斜度が緩いだけで斜面がゆがんでいたり、緩やかすぎて逆に練習しにくかったりすることもあります。
できれば、レッスンを受けてスノーボードの初心者が練習しやすいところを教えてもらって練習するのが効率的でお勧めです。
スノボ初心者が滑れるようになるための練習7ステップ
では早速、スノボ初心者が楽しくゲレンデを滑れるようになるために練習ステップを見ていきましょう。
道具の確認
楽しく安全に滑るために、まずは道具の確認からしてください。
チェックポイントは以下の通りです。
特に、初心者の方はブーツのひもがかなり緩いことが多いので、しっかりと締めてください。ブーツが緩いと、足の力が板に伝わりにくくなってしまい、上達が難しくなります。ブーツと同様、バインディングもしっかりと締めるようにしてください。
安全な転び方の練習
スノーボードの練習中はかならず転びますので、安全な転び方も初めに練習します。スノーボードでは、前に転ぶ時と後ろに転ぶ時がありますが、どちらもできるだけ衝撃を少なくするような転び方を意識しましょう。
前に転ぶ時は、手首だけで体を支えずにスライディングするような形で体全体で衝撃を受け止め分散します。
後ろに転ぶ時は、頭を打たないようにあごを引き、受け身を取るようなイメージで転びましょう。
基本姿勢の確認
スノーボードがうまくなるためには、基本姿勢をしっかりと取れることが重要になります。これはサイドスリップの練習の時も、ターンの練習のときも同じです。どんどん上達してグラトリやカービング、ジャンプの練習をするときも基本姿勢が重要になりますので、初めのうちに意識できるようになっておきましょう。
基本姿勢は、「いつでもダッシュできる姿勢」と意識しておくといいです。
具体的には、
・板の上にまっすぐに立つ
・頭を下げない
・お尻を出さない
・両目の位置を平衡に保つ
・膝を少し曲げる
という姿勢になります。
ワンフットの練習
実際にゲレンデを滑るときは、両足を付けた状態で滑りますが、リフトまでの移動やリフトの乗り降りは片足だけつけた状態のワンフットで滑りますので、ワンフットの練習からしていきましょう。
まったくスノーボードが初めてという方や、スキーもしたことがないという方は「雪の上を滑る」という感覚が最初わかりにくいと思いますので、ワンフットで雪の上を滑る感覚を身に着ける気持ちでやってみてください。
最初、板を漕ぐときにどうしても足元が気になってしまうと思いますが、できるだけ下を見ないようにして、進みたい方向を見るようにして下さい。板についていないほうの足を蹴る際はできるだけもう片方の足の近くで雪を蹴ると進みやすいですよ。
リフトの乗り降り
いよいよゲレンデデビューです!ゲレンデに行くためには、リフトに乗らなければいけませんので、リフトの乗り降りの方法も事前に知っておきましょう。
スノーボードを付けてリフトに乗るときに意識しなければならないことは、乗り場と降り場では板を縦にまっすぐにすることです。人間の体の構造上、リフトの椅子に座っているときに楽な姿勢をとると、どうしても板が横を向いてしまうので、乗り場と降り場だけ体をねじって板を縦にまっすぐにするようにしましょう。
また、降り場ではワンフットで滑り降りていくことになりますが、最初はこれがめちゃくちゃ怖いと思います。
最初は降り場で転んでしまうかもしれませんが、誰しも通る道なのでそこまで落ち込まなくて大丈夫!
転ばずに降りるコツは、
・板と顔を進行方向の縦に向ける
・体は楽に基本姿勢をとる
・目線を進む方向の遠くに向ける
ことです。
不安であれば、リフト係の人にスピードを緩めてもらうこともできますので遠慮せずリフト係の人にお願いしましょう。
かかと側のサイドスリップの練習
リフトから無事に降りられたら、両足をスノーボードの板につけて練習スタートです。
まずは、かかと側のサイドスリップから練習していきます。サイドスリップは、板を横向きにして斜面を降りる滑り方です。スピードコントロールがしやすく、正しく滑ればスピードがあまり出ないので恐怖心なく練習しやすいでしょう。
サイドスリップを練習すると、エッジの使い方を覚える事ができ、自分で停止する方法もマスターできます。
ポイントは
・バインディングのハイバックに軽くもたれかかる
・視線は遠くに向ける(下を見るのはNG)
・両足均等に重心をのせる
・手でバランスをとりつつお腹を引っ込める
・つまさきを下げるとアクセル、上げるとブレーキ
・つまさきの上げ下げはゆっくりと
です。
つまさきがアクセルとブレーキになるので、進みたいときはゆっくりとつまさきを下げ、止まりたいときはゆっくりと上げるようにするとコントロールのコツがわかってきますよ。
かかと側の木の葉の練習
サイドスリップがマスターできたら、次は木の葉滑りです。木の葉滑りは、サイドスリップと見た目はほぼ同じなのですが、板をコントロールしながら左右に移動する滑り方です。
この滑り方が出来ると、板に乗らされているという感覚がなくなり、板を自分でコントロールして、行きたい方向に自由に行けるようになります。
極端な話、木の葉滑りができるようになれば、ゲレンデを自由に滑れるようになりますので、スノーボードの楽しさがわかってきます。
ポイントは
・行きたい方向のつまさきを少し多めに下げる
・行きたい方向の足の上に重心をのせる
・行きたい方向に顔ごと向け視線を送る
・板を少し斜めに向けるようにする
・止まりたい時は、両足共にゆっくりとハイバックにもたれかかる
です。
木の葉滑りがマスターできたら次は連続ターン!
スノーボードがまったくの初心者という状態の方は、木の葉滑りができるようになれば、ある程度どこの斜面でも滑れるようになっていますので、十分ゲレンデを満喫することができます。
しかし、スノーボードの本当の魅力がわかってくるのは連続ターンができてからです!
木の葉滑りがマスターできたなら、次は連続ターンの練習にチャレンジしていきましょう。連続ターンについては、こちらの【木の葉滑り卒業!スノボ初心者がターンをマスターするための4ステップ】でより詳しく解説していますので、こちらの記事を参考にしてみてください。
ここでは、連続ターンの練習を始める前にやっておくとスムーズに進められることをお伝えしておきます。
連続ターン前準備1:直滑降で滑る練習
木の葉滑りの延長になりますが、直滑降で滑る練習をしておくと、連続ターンのステップに入るのがスムーズです。直滑降は板をまっすぐにして滑る方法で、サイドスリップのときの板の角度と90度違います。
直滑降は板をまっすぐにしますので、雪面との抵抗がなくなり、スピードがかなり出るようになります。そのため、直滑降の練習は斜度がかなり緩いところを選んで行いましょう。
直滑降のときも、
・目線は進みたい方向の遠くに向ける
・頭を下げない
・お尻を出さない
・重心は板の真ん中もしくは前足より
というポイントを意識してください。
恐怖心が出てくるとこれらのポイントがおろそかになってしまいがちなので、必ず自分が怖いと思わない程度の斜度を選んで練習してくださいね。
連続ターン前準備2:つま先側のサイドスリップ
連続ターンをするとなると、かかと側のエッジだけでなく、つまさき側のエッジも使って滑っていかなければなりません。
そのため、前準備としてつま先側のサイドスリップを練習しておくことがお勧めです。
つま先側のサイドスリップは、
・ブーツの前側に軽くもたれかかるようにすること
・お尻をきゅっとしめること
・胸を張ること
を意識しましょう。
最初、怖ければ手を着きながら後ろ向きにサイドスリップで滑り降りながら慣れていくのもありですよ。
初心者あるある!?こんなことで困ったらどうする?
スノボ初心者が練習していると、おそらくいろいろな壁にぶち当たると思います。ここでご紹介する困りごとは、スノボ初心者であればだれでも経験するであろう「あるある」です。
そんなときのために、今までのレッスン経験を踏まえてケース別に困りごとのアドバイスをしていきたいと思います。
なかなか立てない
スノーボードは、板を付けて立ち上がることが第一関門になります。最初から簡単に立ててしまう人もいますが、多くの方が立ち上がることに苦労するでしょう。
たとえば、椅子から立ちあがるときも、頭が椅子より前に出ないと立ち上がれません。スノーボードも同じで、頭を足より前に出さないと立つことができません。
立ち上がりやすいようにするためには、板とお尻をできるだけ近づけること、前に立ち上がるのではなく少し横向きに立ち上がること、頭を下げてお尻を上に突き出すイメージにすること、を意識するとスムーズに立ち上がれますよ。
板を縦にして滑るのが怖い
連続ターンの前準備として、直滑降の練習を提示しましたが、この板を縦にして滑るというのが最初とても怖いと思います。
そんなときは、ほぼほぼ止まってしまうのではないかというくらいの緩斜面で練習することも大切になってきます。
また、ある程度斜度があるところでは、いきなり完全に縦にするのではなく、真横から斜めにしてすぐに停止する、ということの繰り返しを練習してみてください。徐々に斜めの角度を縦に近づけていくことで無理なく直滑降で滑れるようになっていきます。
重心が後ろに乗ってしまうと、板をコントロールすることができなくなってしまいますので、重心を前足にのせた状態が保てるくらいの斜度で練習してくださいね。
逆エッジが怖すぎる
逆エッジは、スノーボードをする上では絶対に避けられない、かつ、すべてのスノーボーダーが恐れている存在です。
逆エッジとは、たとえばかかと側のエッジで滑っていたつもりなのに、つまさき側のエッジが引っかかってしまい盛大に転ぶことです。
私たちインストラクターでも新しい技を練習するときなどは必ずと言っていいほど逆エッジの洗礼を受けます。
スノボ初心者としては、恐怖心の原因になりますので、できるだけ逆エッジはなりたくないですよね。逆エッジを避けるためには、ある程度斜度があるところで練習するのが一番の回避方法でしょう。
緩斜面すぎると逆エッジがかかりやすくなりますので、ある程度滑れるようになってきたら、少し斜度がついているところで練習する方が逆エッジはかかりにくくなります。
まとめ|スノボ初心者が安全に上達するためにはレッスンがお勧め
今回は、スノボ初心者の方がゲレンデを楽しく滑ることができるよう、初歩的な滑り方であるサイドスリップと木の葉滑りについて滑るためのステップを詳しくお伝えしてきました。
ここでお伝えした方法で練習すれば、安全にスノーボードを楽しむことができるでしょう。
ただ、独学でやってしまうと、練習するにはやりにくい場所でやり続けてしまったり、うまくいかなかったときに何が悪かったのかわからずにどうしていいかわからなくなってしまうことにもなりかねませんので、できればレッスンを受けてインストラクターにしっかりと教えてもらうほうが上達が圧倒的に早くなります。
レッスンを受ければ、木の葉滑りだけでなく、連続ターンまでの道のりも早くなるでしょう。
初心者向けのターンの練習方法や、初心者レッスンの内容について、詳しく知りたい方はぜひ私たちにお気軽にご質問ください。
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