スノーボードがある程度滑れるようになってくると、自分のレベルはどのくらいなのか、「上手い」と自信を持っていいものだろうか、と自分のスノーボードレベルがどれほどか気になってきませんか?
自分の滑走レベルを知ることができるものにバッチテスト検定というものがあります。
今回は、バッチテスト検定がどのようなものなのか、試験内容はどんな内容なのか、バッチテスト検定を受けるメリットは何なのか、現役のA級スノーボードインストラクターが詳しく解説していきます。
スノーボードのバッチテスト検定とは?
スノーボードのバッチテスト検定は、滑走レベルをチェックする技術認定テストのことです。
バッジテストを開催している認定団体は、日本スノーボード協会(通称、JSBA)と全日本スキー連盟(通称、SAJ)という2つの団体です。
JSBAとSAJはそれぞれ独自にバッジテストを開催していて、テストの内容自体はそれほど大きな違いはありませんが、JSBAのバッチテスト検定のほうが少し厳しい(難しい?)というお声をよく耳にする印象があります。
なお、バッジテストはJSBAかSAJに所属しているスノーボードスクールで受験することができます。
今回は、スノーボードのレベルをより厳しい基準でテストしているJSBAのバッチテスト検定を例に、検定内容について詳しく見て行こうと思います。
※こちらの記事の内容は2023年7月時点の情報です。更新される可能性もありますので詳しくはJSBAのホームページでご確認ください。
バッチテスト検定は1~5級まである!それぞれの内容は?
JSBAのバッジテスト検定には1〜5級まであります。
2〜5級はどの級からでもチャレンジすることができますが、1級を受けるためには2級の合格証明が必要になりますので、いくらスキルに自信があるからといっても1級からいきなり挑戦することはできません。
また、1級、2級を受けるためにはJSBAの会員登録が必要になります。逆に言えば、3~5級はJSBAの会員でなくても検定を受けることができるので気軽にチャレンジすることができます。
テスト形式はスキルチェックとレッスン内チェックの2種類
少しややこしいのですが、JSBAのテスト形式は2種類あります。
・スキルチェック方式 : 2人の検定員と他の受験者が見ている中で、テスト種目を1本ずつ一人ずつ順番に滑り、スキルをチェックするテスト方式
・レッスン内チェック方式 : 通常のレッスンを受けるような流れで検定員であるインストラクターからアドバイスをもらいながら、レッスンの中で一定の技術に達しているかをチェックするテスト方式
どちらの方式で受けるのかは自分で決めることができます。スキルチェック方式はいわゆる「THE テスト」という感じなのでかなり緊張すると思います。緊張感の中で滑らなければなりませんし、消しゴムの使えない(やり直しのきかない)1度だけのテストなので、相当練習しなければ本当の実力の半分くらいしか出せないこともあるでしょう。
レッスン内チェック方式は、レッスンの流れで受けさせてもらえるので、インストラクターと気軽に話しながらスキルを見てもらえるので、緊張感もほとんど感じることなく実力を見てもらえるでしょう。
本番に弱い、緊張感に弱い、という方はレッスン内チェック方式のほうが安心して受けられるのでお勧めです。
「より厳しい視点でチェックしてほしい」「難しいほうが燃える!!」という方はスキルチェック方式が断然お勧めです。
続いて、各級の種目と内容を簡単にご紹介します。
5級
種目:「ノーズドロップから停止」「連続ターン」
ノーズドロップと聞くと難しく聞こえますが、初級者の方がゆっくりターンをすることができて、しっかりと停止することができれば合格できる級です。
4級
種目:「ミドルターン」「ロングターン」
5級の「連続ターン」はターンのサイズ指定はなかったのですが、4級からはターンのサイズ指定が出てきます。
ミドルターンは初級者・中級者の方が普段滑っているときのサイズのターンです。ロングターンは普段よりも大きなサイズを意識すれば問題ないでしょう。
スピードを出しすぎないように、自分で板をしっかりとコントロールして丁寧にターンしましょう。
3級
種目:「ショートターン」「カービングターンロング」
4級まではある程度スノーボードが滑れる方であれば合格できると思いますが、3級からは対策をして練習していかなければ合格するのが難しくなります。
ショートターンは小さいサイズのターンのことですが慣れないうちは板のコントロールがかなり難しく感じるでしょう。リズムよく左右均等にターンしていきます。ミドルターンやロングターンより難しいです。
また、3級からのロングターンは「カービング」という指定が出てきます。カービングターンは板のエッジを立てて滑る方法で、少しコツが必要になります。カービングで滑ることでスピードも出てきますので暴走しないようしっかりと板をコントロールしていくことが重要になります。
ショートターンもカービングターンも自力で練習するのは難しいと思いますので、レッスンで検定対策ができるインストラクターに教えてもらうのがお勧めです。
2級
種目:「カービングターンショート」「ベーシックカーブロング」「フリーライディング」
3級までは2種目でしたが、2級から1種目増えます。また、全体的な難易度も上がりますので、レッスンを受けずに合格するのは至難の業でしょう。
特に、「ベーシック」ターンというのが慣れないうちはかなり難しく感じると思いますので、レッスンでベーシック特有の上下動作などの動きをマスターしておくといいですね。
フリーライディングは2種類以上の滑りを入れればOKです。例えば最初はミドルターンをして途中でショートターンを入れて、最後にロングターンをしてフィニッシュ!という自由な滑走です。
グラトリを入れてもOKですが、転んでしまうリスクを考えると無理に入れなくてもいいのではないかなと思います。
1級
種目:「ベーシックカーブショート」「ベーシックカーブロング」「フリーライディング」
種目内容自体は2級と似ていますが、難易度が一気に上がります。2級よりも厳しい視点でチェックされますので、しっかりと対策してからテストを受けることをお勧めします。
特にベーシック運動を重点的に見られる傾向にありますので、何度も練習してインストラクターからアドバイスをもらいながら身体に覚えさせていきましょう。
フリーライディングは2級よりもスピード感が要求されますので、攻めた滑りを検定員に見せるつもりで滑っていくといいですね。
スノーボードバッチテスト検定はいつ受けることができる?料金は?
バッチテスト検定を受けたい!という気になったら、いつ、どこで受けることができるのかが気になってきますよね。
バッチテスト検定の場所と日程
バッチテスト検定を受けることができるスキー場はJSBAかSAJに所属しているスノーボードスクールがあるスキー場であれば受けることができます。
日程に関しては、各スキー場で決めていますので、バッチテスト検定を受けようと思っているスキー場のホームページなどで確認してみてください。
バッチテスト検定の料金
バッチテスト検定の料金は以下になります。
受験料と公認料の2種類ありますが、受験料はテストを受けるときに支払うお金で公認料は合格した後に払うお金です。
たとえば、JSBAの会員でない方が3級を受けて合格した場合は
受験料(非会員):2,200円
公認料:1,100円
合計:3,300円
がかかります。
また、2級を受けて合格した場合は、2級を受けるためにはJSBAの会員にならなければいけませんので、年会費も必要になります。
入会金:1,000円
受験料:2,750円
公認料:2,750円
年会費:6,000円
合計:12,500円
となります。
検定にはこの上にインストラクター検定という上位資格の検定もありますので、もし今後JSBAの資格のステップアップを考えているのであれば会員になっておく必要があります。
ただ、バッジテストを受けて、自分のレベルを確認する為だけであれば、必ずしもJSBAの会員を続けなくても問題はないと思います。
バッチテストに合格したらどういうメリットがある?
バッチテスト検定を受ける理由や目的は人それぞれです。
大きなメリットとしては
✓今の自分の実力を客観的に知ることができる
✓スノーボードのインストラクターになれる
✓資格の欄に「JSBA 1級」と書ける
✓AO入試で有利になる
✓友達に自慢できる(笑)
などいろいろなメリットがあります。
ちなみに、私自身が最初にバッチテスト検定を受けた時の目的は「自分の実力を客観的に知りたい」でした。
その後、検定を受けたことがきっかけになって、スノーボードのインストラクターを目指すようになり、今は大好きなスノーボードを仕事にできているので私にとってはバッチテスト検定の合格が大きなメリットになったといえます。
スノーボードバッチテスト検定に最短で合格するためには?
バッチテスト検定を受けるメリットはたくさんありますが、どうせ受けるならサクッと合格したいですよね。
ここでは、バッチテスト検定に最短で合格するためのポイントをご紹介していきます。
検定に適した板を購入する
皆さんは今、どのような板を使っているでしょうか?
スノーボードと一言に言ってもいろいろな種類の板があります。
・初心者でも扱いやすいやわらかくて短い板
・グラトリに適したやわらかい板
・キッカーで大きく飛べるような弾力のある板
・パウダースノーの浮力を存分に感じられる幅広の板
・カービングに特化した四角い形の硬い板
などなど・・・
検定に最速で合格するための一つの方法として、検定に適した板を購入するというものがあります。
個人的なお勧めの板としては
・バートン カスタム
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・ヨネックス SMOOTH
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・オガサカ CT
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あたりです。
より詳しくお勧めの板が知りたい場合は、レッスンの際に質問していただければ全力でお答えしますのでお気軽に聞いてみてくださいね。
レッスンを受けて合格ポイントを知る
バッチテスト検定に合格するには、レッスンを受けてインストラクターから直接教わるのが一番の近道です。特に、2級以上の資格を取るためにはレッスンを受けるのがマストと言えるでしょう。
レッスンを受ける際は検定員の資格を持っているインストラクターに教わることができるかどうかを事前に確かめておくことが重要です。
検定員とはバッチテスト検定を実施できる資格を持っているインストラクターのことで、検定員であればどういう滑り方をすれば合格点がもらえるのかを把握していますので、より確実に合格に近づくことができます。
レッスンを受ける際は、事前に「バッチテスト検定の●級を受けたいです」と伝えておくと安心ですね。
同じスキー場で検定を受ける
バッチテスト検定を受ける際、3級、2級、1級と順番に受けていきますが、毎回バラバラなスキー場で受けるよりも同じスキー場で受けることをお勧めします。
各スキー場によってバッチテストを開催する場所は決まっていますので、毎回同じ斜面のコースでテストを受けたほうがコースの特徴(コースの斜度や幅、傾きなど)をつかみやすくなるので合格しやすくなります。
また、各スクールによって検定員の着眼点が若干変わってくることもありますので、同じスキー場でバッチテストを受けたほうが合格しやすくなるのです。
まとめ
スノーボードはただ滑るだけでも十分に楽しいスポーツですが、自分のレベルを客観的に認めてもらうことでより自信がついてもっと楽しくなっていくでしょう。
もしバッチテスト検定にご興味がある方は、私たちにもお気軽に相談してみてくださいね。
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