スノーボードに行くことが決まったら、板やブーツ、ウエアの準備を進めていくと思いますが、意外に迷ってしまいがちなアイテムが靴下です。
板やブーツ、ウエアなどはスキー場でレンタルすることもできますが、靴下はレンタルできませんので自分で準備していくしかありません。スノーボードを滑る上で靴下は案外、重要なアイテムで、スノーボードに適した靴下を履いているかいないかで滑っているときの快適さが全然違ってきます。
でも、中には「靴下なんて、なんでもいいでしょ?」「いつも履いている靴下でいいや」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
また、「スノーボード専用の靴下を用意したいけど、どれを選んだらいいかわからない」という方もいらっしゃいます。
そこで今回は、スノーボードに必須のアイテムである靴下の選び方や普段用の靴下との違い、スノボ靴下でよくある疑問について、私たち現役のA級インストラクターが回答していきたいと思います。また、いろいろな靴下を履いてきた経験をもとに、おすすめのスノーボード靴下ブランドもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スノーボードは普段の靴下で滑っても大丈夫?
スノーボードに行くとなると、板やビンディング、ブーツにウエアにゴーグルに…といろいろなアイテムを用意しなければいけません。
そうなると気になるのが出費ですよね。出費を抑えるためにどこを節約するかを考えると、多くの方が「靴下はいつものやつでいいかな」と、靴下で節約を考えるかと思います(笑)靴下はどうしても後回しにされがちなアイテムの一つなのです。
実際、普段履いている靴下でもスノーボードを滑ることはできます。が、断然スノーボード専用の靴下を履いて滑ることをおすすめしています。
スノーボード専用の靴下をおすすめする理由としては以下の通りです。
スノーボード専用靴下がおすすめな理由
☆理由1:防寒性が高いのでゲレンデでも寒くなりにくい
普段履いている靴下でも保温性が高いものもありますが、ゲレンデの寒さは日常とはレベルが違います。雪山の天候は変わりやすく、吹雪いたり日が落ちたりすると凍えそうになるほど冷えを感じることもあります。
足が冷えすぎてしまうと足の感覚がなくなって滑っていて危険ですし、スノーボードを楽しめなくなってしまうので専用の靴下であたたかく過ごすのがおすすめです。
☆理由2:足にフィットするので滑りやすく上達しやすい
スノーボード初心者だと「靴下なんてどれを使っても違いがわからないのでは?」と思うかもしれませんが、スノボ専用に作られた靴下の足裏感覚の違いは歴然です。
普段用の靴下だと、靴下がブーツの中でずれてしまい、結果的に足が動いてしまうので、ターンの感覚がつかみにくく、上達の妨げになってしまいます。初心者こそスノーボード専用の靴下をはいて練習するのがおすすめです。
☆理由3:足の負担を軽減してくれるので疲れにくい
滑走中は、足首やふくらはぎに負荷がかかりますが、スノーボード専用の靴下は、足先部分だけでなく足首からスネあたりまでの部分が機能的に作られていて疲れにくくなっています。
ブーツに当たりやすい箇所は厚めに設計されているので、足がしっかりガードされますし、衝撃を吸収してくれるので、足が痛くなりにくいです。
以前、スノーボード用の靴下を忘れたときに普段用の靴下で滑ったことがあります。そのときは、いつもは休憩なしで数時間連続して滑れるのに1時間も経たずに疲れてしまいました。普段、スノーボードをしているとすぐに疲れてしまうという方は、靴下を変えるだけで劇的に疲れ具合が変わるかもしれませんよ。
☆理由4:吸汗性と速乾性が高いので1日中快適
スノーボードはゲレンデの寒い場所で楽しむスポーツですが、足もとは意外にも大量の汗をかくものです。特に初心者のころは緊張もあってかなり汗をかいてしまうでしょう。
汗は冷えると一気に体温を奪ってしまうので、靴下が蒸れると足元から冷えていってしまいます。スノーボード専用の靴下は、吸汗性と速乾性を追求したものが多く、汗をかいてもベタついたり蒸れたりすることなく、快適にスノーボードを楽しむことができますよ。
☆理由5:吸汗性と速乾性が高いのでブーツの劣化を防げる
靴下の吸汗性と速乾性が高いことは、足もとを快適にしてくれるだけでなく、ブーツの劣化を防いでくれる効果もあります。
ブーツの中は、足もとから出る汗を受け止めては乾く、ということを繰り返すうちに、インナーがどんどん劣化していったり、臭いが発生してしまったりします。
汗を素早く吸収してくれるスノーボード専用の靴下をはくことで、ブーツ内の汚れや臭いをガードするとともに、ブーツ内部を清潔に保って劣化を防ぐことにもつながります。
普段用の靴下とスノボ用靴下の違いとは
スノーボードを滑るときは、普段用の靴下よりもスノボ専用の靴下を履いた方が快適でおすすめであることは先ほどご紹介しましたが、具体的に普通の靴下とどこが違うのでしょうか。
ここでは、スノボ専用靴下と普段用の靴下の主な違いについてみていきます。
厚さ
大きな違いは生地の厚さです。スノーボード専用の靴下は、負荷がかかりやすい、つま先やかかと部分が厚く作られています。
そして、反対に負担がかかりにくい箇所は生地を薄くして通気性を良くする作りになっています。
フィット感
スノボ用の靴下は足全体にしっかりとフィットしてブーツ内でズレないような構造になっています。
高機能な専用靴下だと、靴下自体がテーピングのような役割を果たしてくれるので、フィットして疲れにくいように作られています。
長さ
ブーツとの摩擦や衝撃でスネが痛くならないように長めの靴下がほとんどです。
ひざ下くらいまであるハイソックスが多いです。
生地
スノーボードは寒いゲレンデで楽しむスポーツなので、スノボ用の靴下は防寒性の高い発熱素材の生地で作られていることが多いです。
また、汗をかいたときにも蒸れないように乾きやすい生地を使用しているのもスノーボード専用靴下の特徴です。
高機能な分、値段も高い
スノボ用の靴下はノーブランドの安いものでも1足1,000円以上はしますし、ブランドでクオリティの高いものだと3,000円~4,000円くらいします。
ユニクロなどで普段用の靴下を買うと300円くらいで買えてしまうので、スノボ用の靴下は靴下としてはちょっと高いなという印象を持つでしょう。
僕もはじめは「靴下で3000円は高いな~」と思っていましたが、一度スノボ用の靴下を履くと他の靴下ではスノーボードしたいと思えなくなりました。そのくらい、違いが歴然なので迷っている方は一度試しに買ってみることをおすすめします。
スノボ専用靴下の選び方ポイント
スノーボードを快適に楽しむためにスノボ用の靴下は重要なアイテムであることは、ここまでで説明してきましたが、いざスポーツショップに行くとたくさんの種類の靴下が並んでいるので、どれを選べばいいのか迷ってしまうと思います。
スノボ専用靴下のメリットを最大限に引き出すために、選び方のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
厚さ
スノボ用の靴下選びで重要なのは厚さです。厚すぎても薄すぎてもNGです。
寒さ対策もしたいし、衝撃も吸収したいからと、とにかく厚めの靴下を選ぼうとされる方も多いと思いますが、厚すぎも良くありません。
確かに厚手の靴下であればクッション効果は期待できますが、あまりに厚すぎると、足裏の感覚が鈍くなったりブーツの中で指先が窮屈になったりするので要注意です。
靴下が足にしっかりフィットしていることはもちろん重要で、その上で足の指がしっかり動かせることもポイントです。足の指が動かせないほどピッタリした靴下だと窮屈すぎて板に力を伝えにくくなってしまいます。
逆に薄すぎる靴下は、負荷がかかりやすく、スネやくるぶしの部分が痛くなってしまいやすいですし、足裏が疲れやすくなってしまいます。
薄手のスノーボード用の靴下を選びたいときは、プロテクター設計や段階着圧などの特別な設計がされているものを選ぶといいでしょう。
厚ければ厚いほど良いというわけではなく、ブーツに当たりやすい箇所がしっかり厚く補強されているか、保温性の高い素材が使われているかなどをチェックするのがおすすめです。
長さ
スノーボード用の靴下を選ぶ時は長さもかなり重要なポイントです。スノボ専用の靴下として売り出している場合は、しっかりと長さのある設計になっているので問題ないのですが、もし自宅にある靴下で代用する場合は長さを見て選ぶようにしましょう。
スノーボード用の靴下としては、ブーツをはいた状態で靴下の上部が出ているくらいのハイソックスが理想です。
スノーボードブーツは、しっかり足を固定できるように作られているので、滑っている最中に足に負荷がかかることになります。足のスネやくるぶしに衝撃がかかりますので、初心者の慣れないうちは打ち身のようになってかなり痛む可能性もあります。
ふくらはぎまでしっかり覆うことができる長さの靴下で足の負担を少しでも軽減することがポイントです。
素材
素材は、ずばりメリノウールが入ったものがおすすめです。メリノウールは天然の素材で、オーストラリアやニュージーランドを主な生産地とする羊毛のことです。
メリノウールは保温性と通気性、そして防臭効果が高いことが大きな特徴です。1本1本の繊維が細くて長いので、通常のウールよりも肌触りが優しいのも魅力です。
暖かい上に蒸れも防いで快適に過ごせるのでスノーボード用の靴下として人気が高いのです。
また、最近では天然素材だけでなく吸汗速乾性や蓄熱性能を追求した化学繊維も開発されています。
化学繊維の割合が多いと速乾性が高くなり、ウールが多いと保温性が高くなる傾向にあるので、速乾性と保温性、どちらを重視して選ぶかを考えて化繊とウールの割合を見て選ぶといいですね。
足が臭いと女性に嫌われますので、男性陣は防臭効果の高いメリノウール素材を選ぶといいでしょう。僕もメリノウール入りの靴下にしてから妻が靴下を洗濯してくれるようになりました☆
形状
スノーボード用の靴下を選ぶ際は靴下そのものの形状もポイントになります。形状は履き心地に大きく影響します。
形状は3種類あり、足をそのまますっぽりと包むオーソドックスなタイプと、足の指の部分がそれぞれ分かれている5本指タイプ、親指だけ独立して包まれる足袋(たび)タイプがあります。
5本指タイプはそれぞれ指が個別に包まれているので、足の指が動かしやすいのと、指が暖かいのが特徴です。ただ、普段から5本指タイプを履きなれている方でなければ違和感を覚えることが多いですし、全体的に厚みがでてブーツがきつくなることもあります。
足袋タイプは親指だけ独立しているだけなので、それほど厚みが出ることはなく、指の自由度がオーソドックスなタイプより感じられやすいという特徴があります。ただ、こちらも初めは違和感を覚える方が多いでしょう。
個人的には履きなれたタイプのほうが違和感なく快適な滑り心地になると思いますので、オーソドックスタイプがおすすめです。
靴下を二重にして履くのはアリ?
足元が寒いからと靴下を二重にして履く方がいらっしゃるのですが、スノーボードで靴下を二重にすることはあまりおすすめできません。
二重に履くことで確かに暖かくはなりますが、板に力が伝わりにくくなりますし、グリップ感も失われてしまいます。
また、ブーツの中で靴下同士が滑ってしまうことで、足が安定しなくなり、足の力が分散して板のコントロールが難しくなってしまいます。
スノボ専用の靴下を選べば寒いということはなくなるはずですし、厚みもしっかりあってフィットしますので、普段用の靴下を重ね履きするのではなく、専用の靴下を用意することをおすすめします。
機能性の高いおすすめスノボ靴下ブランド
この章では、スノーボード用の靴下として、機能性の高いおすすめのブランドをご紹介していきます。
スマートウール smartwool
スマートウールは名前の通りウールがしっかりと入っている靴下で、足にかいた汗を素早く吸湿して、ゆっくりと乾いていくので急激な足の冷えを予防してくれます。
クッション性も抜群なので、冷えないだけでなく疲労感も軽減してくれます。
デザインもかわいらしいものが多いのでぜひお好みのデザインを選んでみてくださいね。
バートン BURTON
スノーボードブランドとして誰もが知っているバートンの靴下もおすすめです。バートンの靴下はしっかりとした厚みがあり保温性も抜群です。
さらに破けにくくクッション性も高いので足が痛くなりにくいのもおすすめポイントで、初心者から上級者まで使いやすくなっています。
ノースピーク NORTH PEAK
ノースピークの靴下は、段階着圧と各種プロテクション構造を備えているので、履いた時の快適性がとても良いです。
通気性が高く蒸れにくい素材なので、1日中滑っていても快適に過ごせます。
ディーラックス Deeluxe
スノーボードブーツブランドとして人気が高いディーラックスからもフィット感抜群の靴下がラインナップされています。
シンプルなデザインながらも保温性が高く、フィット感抜群の靴下は一度履いたら手放せなくなるでしょう。
ディーラックスブーツのユーザーだけでなく、他のブーツを履いているスノーボーダーにもおすすめの靴下です。
ダーンタフ Darn Tough
ダーンタフの靴下は「一生破れない靴下」というアウトドアソックス業界では異例のブランドです。
一生破れないと謳っているので、すべての製品に生涯保障がついています。そのくらい、耐久性に自信があるんですね。
スノーボードはブーツの中で足が酷使されるので靴下もすぐに破れやすくなりますが、ダーンタフの靴下であれば破れる心配がありません。もちろん、フィット感や保温性も高いのでスノーボード用の靴下としては申し分ないですね。
実際、私もダーンタフの靴下を愛用していますが、2年以上使っていてまだ破れていません!クッション性も高くて疲れにくいのもおすすめポイントです。
まとめ
たかが靴下ですが、されど靴下です。スノーボードを快適に滑るためには靴下は侮れないアイテムの一つです。
快適な靴下で滑れば、足も蒸れにくいですし、クッションで足が疲れにくくなります。ぜひ今回の記事を参考にしていただいて、お気に入りの靴下を見つけてみてくださいね。
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