スノーボードが好きな方であれば、だれでも一度は「スノーボードを教えることを仕事にするのってどうなんだろう?」「楽しいのかな、それとも大変なのかな」と気になったことがあるかもしれません。
スノーボードインストラクターは、ゲレンデでスノーボードの滑り方や安全な楽しみ方を指導するお仕事で、初心者から上級者まで、さまざまなレベルの生徒に合わせてレッスンを行っています。インストラクターは単にスノーボードの滑りの技術を教えるだけでなく、生徒の安全を守り、楽しさを引き出し、スノーボードの魅力を伝える大切な役割も担っています。
自分の好きなことが仕事になるのはとても素敵なことですが、実際どんな仕事内容なのか、どういうことに気をつけなければいけないのか、自分には向いている仕事なのかどうか気になりますよね。
そこで今回は、現役のA級インストラクターである私たちが、スノーボードインストラクターの仕事内容やインストラクターとしてのやりがい、仕事の大変さなどをリアルな体験をもとに詳しく解説していきます。
インストラクターのお仕事が気になっている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
スノーボードインストラクターの仕事内容を徹底解説
スノーボードインストラクターの仕事は、「ただ滑りの技術を教えること」にとどまりません。ゲレンデに来たお客様が安全に楽しめるようにサポートし、同時に「できた!」という達成感や笑顔を引き出すことが大切です。ここでは、実際の仕事内容をさらに詳しく見ていきましょう。

せっかくレッスンを受けてくれたのに怪我をさせてしまうと、旅行が一気に台無しになってしまいます。旅行をトータルで良いものにするためにも安全管理は仕事において一番大切なことと言えます。
レッスン前の準備
ゲレンデコンディションの確認
雪質、天候、混雑状況、リフトの運行状況を確認して、その日のレッスンプランを考えます。新雪の日は転んでも痛くない場所を使う、アイスバーンなら安全第一で滑れる場所を選ぶなど、判断力が求められます。また、初心者レッスン担当の日は、特にリフト降り場の状況も事前に確認しておくことが大切です。
道具チェック
自分の板やブーツはもちろん、生徒さんが使うギアの確認・調整も行います。特に初心者の方は、ブーツがゆるゆるの状態でレッスンに参加することも多々ありますし、板のサイズやブーツのフィット感が合っていないこともあります。
また、ウエアの着こなしがうまくできていなくて、このまま滑ると危ない、という状態のことも多いので事前にしっかりとチェックしてあげて細かい気配りをしてあげることが必要です。
レッスンの実施
初心者向け(初めてスノーボードを滑る人)
- 板の持ち方や履き方・安全な転び方の練習
- 片足での移動の練習、安全なリフトの乗り降りの指導
- サイドスリップから木の葉滑り・ターンへの導入
👉 「楽しさ」を第一に伝えるのがポイント。
中級者向け(連続ターンができる人)
- カービングターンの基礎
- 楽に疲れにくく滑るコツ
- スピードコントロールや急斜面での安全な滑り方
- パーク(キッカーやBOX)やパウダー滑走の挑戦
👉 目的と生徒のレベルに合わせてレッスンメニューをカスタマイズすることが求められます。
上級者向け
- 高速カービングの安定性や体の使い方
- フリースタイルのトリック指導
- コース外(サイドカントリー)を楽しむための基礎トレーニング
👉 生徒の「更なるレベルアップ」に合わせて指導内容を工夫。
安全面のサポート
インストラクターは常に「安全第一」を意識する必要があります。
- 生徒の疲労度や恐怖心を察知して、休憩やコース変更を提案する
- 転倒や怪我の際には応急処置やパトロールへの連絡をする
- リフトの乗降時や初めてターンを練習するときには、サポートを徹底して事故を未然に防ぐ
ただ教えるだけでなく、常に生徒の体調や気持ちを見守るのも大切な役割です。
コミュニケーションとモチベーション管理
- 生徒が「できない」と感じたときに励ます
- 生徒が「できた」と実感しやすいように伝える
- 一人ひとりの性格に合わせて教え方を変える(理論派なのか感覚派なのか、など)
- 子どもには遊び感覚、大人には理論的な説明を重視するなど、柔軟に対応する

スノーボードインストラクターは「技術コーチ」であると同時に「メンタルコーチ」でもあります。生徒さんとしっかりコミュニケーションをとってモチベーションをキープしてあげればそれだけでも生徒さんは自らチャレンジしてどんどん上達していってくれますよ。
レッスン後の仕事
- 生徒へフィードバックを伝え、次回に活かせるアドバイスを行う
- レッスンで撮影した写真や動画を生徒に送る
- スクールにレッスン内容を報告する
- 時には、次のレッスンの提案をしてリピーターにつなげる
自分自身のトレーニングも大事な仕事
インストラクター自身も常に学び続け、スキルを磨き続けなければなりません。
- 新しい滑走技術や指導法の習得
- 他のインストラクターとの情報交換
- 資格のための研修参加や検定の受験
👉 「教える=学び続ける仕事」でもあるのが、スノーボードインストラクターの特徴です。

他のインストラクターと情報交換することで、新しい教え方の発見ができることも多いです。他の人はこういうときどう教えているのかな、こういう生徒さんにはどう接してコミュニケーションを取っているのかな、と意見や情報を交換することでインストラクターとしてのスキルアップにつなげられます。
スノーボードインストラクターに向いている人の特徴
ここまででスノーボードインストラクターの仕事内容についてお伝えしてきましたが、どのような人がインストラクターに向いているのでしょうか。
現役のインストラクターとして働いている私たちから見て、インストラクターに向いている人は下記に挙げる特徴のある人です。
- スノーボードが大好きな人
- 人に教えるのが好きな人
- 子どもと接するのが得意な人
- 明るく前向きな性格の人・笑顔で接することが得意な人
- 安全意識が高く責任感のある人
- 成長意欲がある人
インストラクターに向いている人の特徴については、こちらの「スノーボードインストラクターに向いている人の特徴|未経験からでも挑戦できる!」の記事でより詳しく解説していますので、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
スノーボードインストラクターの仕事のやりがいは?
スノーボードインストラクターは、ただ技術を教えるだけでなく、人の成長に寄り添い、お客様の旅行をより素敵なものにするお手伝いをし、笑顔を生み出すという特別な仕事です。そのやりがいについてより詳しく見ていきましょう。
生徒の「できた!」の瞬間を共有できる
- 初めて自力で立てたとき
- 初めてターンが成功したとき
- リフトを自分で乗り降りできたとき
- リフト1本分を滑り切ったとき
- 子どもが泣きながらも最後には笑顔で滑り降りられたとき
👉 生徒の「小さな成功」を一緒に喜べるのは、インストラクターだけが味わえる感動です。
「あなたのおかげで滑れるようになった」「スノーボードが好きになった」と言われる瞬間は、この仕事の最大のやりがいと言えるでしょう。
自分の大好きなスノーボードを仕事にできる
多くの人にとってスノーボードは趣味ですが、インストラクターはそれを“職業”にできます。
- 毎日雪上に立ち、大自然の中で働ける
- 大好きなスノーボードを滑りながら給料を得られる
- 毎日滑ることができるので自然と自分のスキルも磨かれる
- 世界中のスノーリゾートで活躍できる可能性がある
👉 自分の「好き」をそのままキャリアにできるのは大きな魅力です。
人との出会いが多い
- 子どもから大人、初心者から上級者まで、幅広い人と関われる
- 海外からの旅行者を教えることもあり、国際交流ができる
- 同じ情熱を持ったインストラクター仲間と切磋琢磨できる
👉 人とのつながりが広がり、自分自身の人生も豊かになります。
自分の成長を実感できる
教えることは、自分の技術を客観的に見直すことでもあります。
- 人に説明することで理解が深まる
- 生徒の質問から新しい気づきを得られる
- 技術的にも人間的にも成長できる
👉 「人に教える=自分の学び直し」になり、常に成長を感じられます。
生徒の人生にポジティブな影響を与えられる
スノーボードを通じて、誰かの人生の一部に関われるのも大きなやりがいです。
- 「スノーボードをきっかけに冬が楽しみになった」
- 「スノーボードという新しい趣味に出会えた」
- 「インストラクターに教わったからスノーボードを続けている」
- 「雪山での体験が忘れられない思い出になった」
👉 ただのスポーツ指導にとどまらず、生徒さんの人生をより豊かにするお手伝いができるのです。
季節や場所ごとに違う魅力を体験できる
- 冬山の美しい景色を毎日堪能できる
- スキー場ごとに違う雰囲気や雪質を味わえる
- 海外リゾートで働けば、世界中を舞台に活躍できる
👉 四季やロケーションによって働く環境が変わるのも、飽きが来ないやりがいのひとつです。
スノーボードインストラクターの大変な点・苦労すること
スノーボードインストラクターはやりがいの大きな仕事ですが、同時に体力的・精神的に大変な面もあります。ここでは実際に多くのインストラクターが感じる苦労を紹介します。
体力的なハードさ
- 朝から夕方まで雪の上で立ちっぱなし、滑りっぱなし
- 子どもや初心者が転ぶのを起こしてサポートする場面が多い
- 吹雪や極寒の日も外で仕事をしなければならない
👉 好きだからこそ続けられる部分ですが、体力と健康管理は必須です。
生徒に合わせる難しさ
- 生徒の性格や年齢によって教え方を変える必要がある
- 怖がりな子ども、プライドの高い大人、言語が通じない外国人など、状況はさまざま
- 「うまく伝わらない」「なかなかできない」ときは、自分の指導法を試行錯誤しなければならない
👉 技術だけでなく、柔軟なコミュニケーション力が求められます。
季節や収入の不安定さ
- スノーボードは冬のシーズンスポーツなので、仕事は冬に集中してしまう
- 夏場は日本では仕事がないので、別の職業やオフシーズンの仕事を探す人も多い
- スクールやゲレンデによって給与水準に差がある
👉 夏場の別の仕事を探すか、夏は海外でインストラクターとして働くかを考える必要があります。
安全管理への責任
- 生徒の怪我や事故を防ぐのはインストラクターの大きな責任です
- 少しの判断ミスが大きなトラブルにつながることもあります
- 緊急時には冷静に対応しなければならない
👉 楽しさと同時に、強い責任感が求められる仕事です。
常に学び続けなければならない
- 技術や指導法は日々進化しているため、自己トレーニングが必要
- 資格の取得やトレーニング参加が負担になることがある
- 「自分が滑れる」だけではなく「人に伝えられる」スキルを常に磨かなければならない
👉 教える立場だからこそ、努力をやめられない大変さがあります。
まとめ
スノーボードインストラクターの仕事内容は、ただ滑りの技術を教えるだけではなく、生徒にスノーボードの楽しさと安全を伝える大切な仕事です。教えることで自分自身の技術も磨かれ、世界中のゲレンデで活躍できる可能性が広がるという魅力もあります。
大変なこともありつつも、「スノーボードが大好きで、人と関わるのが好き」という人にとっては、何ものにも代えられない最高の仕事になるでしょう。
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